だって、思いついたから このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006-08-28いつからか、僕はフタについたヨーグルトを食べなくなった

い能力部2

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「ねえ!見てて!」

今日の笹木はやたらテンションが高い。

目を瞑り、ブツブツと何か呟いている。聞き覚えのあるそれは、般若心経

「…何で?」

「かんじーざいぼーさーはんにゃー…」

目を瞑り懸命な姿は可愛いのだが、お経が怖い。

呪われているような気がする。

「はんにゃー、しんぎょー…」

お経が終わり、笹木はゆっくりと目を開けた。

そして、僕は驚愕する。

「これはッ!」

「どう?」

笹木のメガネには最近発見した『急にレンズが曇る』能力が発現している。しかし、その曇りが文字になっていた。

右に「豚」、左に「虫」。

「…何で?」

「ね! 凄いでしょう!」


笹木は嬉しそうに続ける。

「『温度の固定』ってのは、結局、熱量の移動なのよ。だから、レンズ周辺の熱量を奪って、曇らせることもできるってわけ」

「へー…、でも何で般若心経?」

「さあ? 唱えてたら偶然できたの。精神集中の仕方に関係があると思うんだけどね」

笹木は奥が深い。何でお経を唱えてたんだろう。あまり奥深くいくと帰れなくなりそうで、考えない。


「これで今年の文化祭発表は決まったわね。ふふ、皆驚くわよ」

「え、文化祭でやるの、それ」

「うん。部費のアップも望めるかも」

「それ、やめよう。いや、やってもいいけど、どうだろう。ほら、『私達の能力には先がある』ってやつだよ。うん。僕達はもっと先を見るべきだと思う」

「そうかな」

「そうだよ!」

「うーん。そうかもね。『満足したら人は死ぬんだ』って、お爺ちゃんも言ってた」

多少不自然だったが、どうやら方向をそらせたようだ。

メガネに『豚虫』などと浮き出た笹木は誰にも見せたくない。見せるべきではない。


「はんにゃー、しんぎょー…」

そして、二回目の読経が終わる。今度は、振り仮名がついてた。

『とんちゅう』。

だから、何なんだよ! 

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