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2006-09-29狗肉の咲く

22世紀の付喪神

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付喪神サーガ

http://d.hatena.ne.jp/firestorm/20060928/1159377123

「おー、久しぶり」

「おー」

「生きてる?」

「なんとか」

「今月、何匹出た?」

「今月だけで15。その内、社内で処理したのが8。業者に頼んだのが4。で、残り3が逃亡中」

「こんなとこに居て良いのか?」

「良いんだよ。てか、何で電気屋が怪物退治するんだっつーの」

「はは。全く」

「まさか、ソニーが潰れて、こんなことになるとはなあ……そっちはどうよ」

「ああ、今月は25」

「うわ、それ、やばいな。大丈夫か?」

「それが、全部社内処理」

「マジで」

「……それがさ、うちの付喪神対策課、とんでもないの造ったらしくてな」

「造った? 武器か何か?」

付喪神と会話する研究してた爺さんをうちの会社が引き入れたっての、前に言ったよな」

「ああ、ステレオとかパソコンとか付喪神にしてたやつか。成功したのか?」

「いや、うちに来たのも爺さんの研究中に一人娘が付喪神に殺されて、大学を追い出されたせいだしな。で、こっからが企業秘密っていうか、やばい話なんだが」

「もったいぶるなよ」

「まあ噂なんだがな。爺さんがやってる研究ってのが」


そのとき、二人の居た喫茶店カウンターから爆発音がした。二人は咄嗟にテーブル下に隠れる。同時にボンッという音がして、横のテーブルに居た男の頭が破裂した。

電子レンジか……ついてない」

「一応これ防護服なんだが。自社製品だけになあ……」

そのとき、二人の隠れるテーブルの横を、白い足が通り過ぎた。

「お、おいッ」

「くそッ」

二人が銃を構えて、テーブルから顔を出したとき、既に事は終わっていた。

カウンターの中には、長い黒髪の白いワンピース女性がスラリと立ち、両手を胸の前で合わせるようにして、電子レンジを挟み潰していた。

女性は、カウンターお金を置くと、吹き飛んだドアから外に出て行った。

二人も、他の客達も何が起こったのか、わからずにいた。

男が放心しながらも、やっと口を開く。

「……あのさ、さっき言ってた爺さんだけど、娘さんが死んでから、研究変えたらしいんだわ」

「……ああ、何の研究だ?」

「人の、付喪神

sasuke8sasuke82006/09/29 22:51付喪神の断章。以下の文章からかなりインスパイアされてます。
http://neo.g.hatena.ne.jp/objectO/20060928/p1
から
http://d.hatena.ne.jp/nekoprotocol/20060928/1159443240
http://d.hatena.ne.jp/rerasiu/20060929#p4
なんて感じで、世界が変容していって、
http://d.hatena.ne.jp/hachi_gzk/20060929#1159468703
みたいな未来が待ってると。
あ、楽しい。こういうの。

2006-09-28アブフレクサンドリア

信仰100%

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「困った」

淳平は、頭を抱えていた。

今、彼の部屋では、三人の幼馴染が互いに牽制し合っている。

順平が、小学生まで住んでいたこの街に帰ってきて、当時密かに憧れていた三人の女の子達と偶然出会うことが出来たのは非常な幸運であった。しかし、

「困った」

淳平はまたも同じ呟きを繰り返す。

不幸だったのは、その三人が成長し、巫女シスターと尼になっていたこと、彼女達が淳平を中心にいがみあっていることである。淳平自身は無宗教であった。

三すくみの一角、シスターが淳平に笑いかけた。

「淳平君、明日教会ミサがあるんだけど」

「淳平君! 明日神社お祭りがあるのよ!」

すかさず巫女が大きな声でシスターの声を遮る。

にこやかな顔のまま、シスター巫女の方を向く。

「今、私が、話しているの。順番は守りなさいって教わらなかったかしら?」

「うん。うちの神様は心が広いんで、面倒な教義とかないのよ」

「まとまりがないのよね、そちらの方々は。あら、あなたの大きなお尻に敷かれてる、クッションの神様は大丈夫かしら」

火花から、引火しそうな気配を感じて、淳平は二人を止めようとした。そのとき、それまで黙っていた尼層が口を開いた。

「淳平君は」

静かな声で、だが勝ち誇るように、尼層は言った。

「死んだら、身体は私の寺に入るわ」

淳平の家は一応、尼の寺の檀家である。でも、それがなんなんだと呆れる淳平は、二人のギリギリという歯軋りの音を聞いて、三人が大真面目であることを知った。

「だから、何?」と、睨む巫女

「別に。気にしないで、続けて」アルカイックスマイルを崩さない尼。

シスターはため息をつき、微笑む。

「愚かな人達。肉体がどこにあろうと同じこと。淳平君の魂は、私と同じ天に召されるんです」

「あんたの場合、地獄でしょ」

「あなたが地獄です」

「お前だ」

「お前らだ」

淳平が、再び頭を抱えたとき、部屋のドアが、大きな音を立てて開いた。

勝手なことばかり言って! ここをどこだと思ってるの!」

そこには、お茶ケーキを載せたお盆を持って、順平の妹が仁王立ちしていた。

お盆を乱暴においた妹は三人に向き直った。年下に怒鳴られ、我に返った三人に、妹はさらに言い放った。

「お兄ちゃんは、ラトクワャジ神様のところに召されるんだから! ムソウで私と永遠に生きるんだから!  神官の私が言うんだから間違いないの!」

言葉を失くして、妹を見つめる三人。

淳平は呆れを通り越し、ため息をついた。

「しょうがない奴だな……邪教徒の前で御名を口にするなんて」

悩んでも結果は同じだったかな、もう一度ため息をついて、淳平はバットを手にとり、無宗教の教義に従い、大きく振りかぶった。

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2006-09-26冥奉行 泰山の閻さん

君は小悪魔

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「こっちに来て」

君は、微笑みを浮かべて駆けてくる。君が、とてとてと歩くにつれ、スカートフリルがひらひらして、長い黒髪がさわっと揺れる。とてとて、ひらひら、さわっ。気付いたら、君は僕の膝の上にいて、どーするの、とでも言うような大きな目で、僕の顔を覗きこんでいた。君の身体が、とても小さくて華奢なのに驚く。これで僕より年上だなんて。

君の少し吊りあがった目は、笑うととてもチャーミングになるんだな。黒いドレスが良く似合ってるよ。こんなことを言うと怒られそうだけど、この目に皆、騙されて、魂を抜かれちゃったんだろうな。

「抱きしめていいかい?」

君はこくんと肯いて僕の膝の上に座り、僕の胸にもたれかかった。僕は、君を壊してしまうような気がしてどきどきしながら、そっと腕をまわした。ひんやりとした君の手が、きゅっと僕の腕を掴む。

このまま時が止まってしまえばいい。


どれくらいそうしていただろう。

君は、腕の中から、僕の顔を覗き込んで、低い声で言う。

「さあ、三つ目の願いはなんだ?」

え、あ、今ので二つ? 

どこにもいかない

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スパッツ原田は悩んでいた。言うまでもなく、ライバルの長飛魚直樹のことである。


昨日の試合を思い出す。脂取り紙チヒロ太鼓腹篤の巨漢コンビの繰り出すエマニエル殺法を、小指と人差し指だけで止めた長飛魚直樹の、あの笑み。エスパーは俺だと言わんばかりの、あの笑み。牛百頭にそれぞれ名前をつけて可愛がっている巨漢コンビの猛攻を受けながら、長飛魚直樹は、余裕の表情で、鼻歌でも歌うようにして、実際に歌いながら、スパッツ原田に向かって、笑いかけていた。


「お前に出来るか? こんなことが出来るか? 無理だろうな。出来ないだろうな。何故ならお前は弱いからだ。俺より圧倒的に、弱いからだ!」


スパッツ原田には、長飛魚直樹がそう言っているようにしか見えなかった。

「くそう!」

スパッツ原田は、落ちていた石を蹴飛ばす。

「…どうしたの?」

蹴飛ばした石の先には、膝カックン冴子が立っていた。

「何でもねえよッ!」

「言ってみなさいよ」

「実は…」

スパッツ原田は、涙ながらに、全てを話した。

予約録画に失敗したこと。失敗してナウシカを上書きしていたこと。実はサッカーより野球が好きなこと。ブログを書いていること。最近トランプマジックに凝っていること。実はサッカー野球も嫌いなこと。ペン回しが出来るようになったこと。口内炎が直ったこと。実家の犬が子犬を産んだこと。

「え、味噌カツ、お母さんになったの!」

「どっちかっていうと、オマメさんだけどな。見に来る?」

「うん! いくいく!」

いつの間にか、陽は沈み、当たりは暗くなっていた。

スパッツ原田は、スパッツを脱いで、膝カックン冴子に被せてやる。

そして、二人手を繋いで、どこかに駆け出した。前の見えない膝カックン冴子が、派手に転んだ。

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2006-09-24ガオガイガーカウンター

心の旅4

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「合格!」


突如、萌仙人の懐かしい声が響いた。

「おめでとう」

虎が山中に響くような大きな声で吼え、僕は圧倒され気を失った。


眼が覚めると、僕は岩の上に寝ており、傍らには萌仙人と虎がいた。

僕は、萌仙人の合格という言葉を思い出し、その意味を聞こうと慌てて身体を起こした。


萌仙人は僕に語った。

「自らの生の為、絶望的な現実でさえも覆さんと虎と闘うは、『燃え』、そして、生を愛しむがゆえに自らの生の終わりさえも認めてしまうのが『萌え』ぢゃ。お主は既に『萌え』を体得しておったのぢゃよ」


生を愛しむが故に、自らの生の終わりさえも認める。僕は虎の生を美しいと想い、そのために僕の死が虎の生になることを喜んだというのか。


「人の数だけ、萌えがあるのではない。魂の数だけ萌えはある。虎にも、山に住む他の動物達にも、お主のいる岩でさえも、そしてお主自信にも萌えはあるのぢゃ。問題はそれを識ることができるかどうか」

 萌仙人の言葉は、水のように僕の中に染みていった。


「萌えとは、どこにでもあって、どこにもない…」

「おぬしはもう、わかっているはずぢゃよ」


僕の目の前でグルグルと世界が歪む。萌仙人と虎と竹林グルグルと掻き混ぜられて、一つになり、白い世界だけになった。


僕は眼が覚めた。目の前のディスプレイには、『 第四回萌理賞』の記事が映し出されていた。いやにリアルな夢だった。虎を始めみたときの恐怖をまだ僕の身体は記憶している。


そして、同時に、あのときの虎を美しいと思ったことも。


キーボードを打つ。今なら書ける気がする。

あなたはつけてあげない

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君は、ぬかみそが好きだったね。いつも君は台所に屈みこんで、黒く長い髪を邪魔そうにかき上げながら、嬉しそうに、キュウリや茄子を漬けていた。


家中が臭かったよ。でも僕は君を愛していた。

いつの間にか、台所も、リビングも、寝室も、客間も、僕の書斎さえも、家中の部屋の床下には、ぬか床があった。それを僕が知った時、君はいたずらっ子のように舌を出したね。それだけで僕は最高にハッピーになった。


いつだったか、浴槽にぬかみそを満たして、そこに入ってたことがあったね。ぬかみそ入浴健康法なんて、出鱈目な名前をつけて。

あのときは驚いた。だって、帰ってきたら君が脱水症状を起こして倒れているんだもの。体の水分がほとんど抜けるまで、ぬかみそに浸かっていた君の、ぬかみそへの愛には嫉妬すら覚える。


それでも、ぬかみそを混ぜている君は、子供のように邪気のない笑顔で、それでいて美しかった。その華奢な体には信じられない程のぬかみそに対するエネルギーが詰まってて、それが眩しかったんだと思う。僕はそんな君をよく後ろから抱きしめたね。君は驚いて、でも笑いながら僕の顔にぬかみそを塗りたくった。僕は、それが君の最高の愛の表現だとわかっていた。君を愛していたから。


君は言ったね。

「貴方は漬けてあげない」

「どうして?」

「私を漬ける人がいなくなるから」


君の最後の頼み、僕は喜んで引き受けたよ。君が笑うのがとても好きだったから。でも、哀しかったよ。とても、とても。とても、とても、とても。


君のいない長い夏が終わって、やっと秋になった。君に会える。


僕はキュウリが嫌いだったけど、君の漬けたキュウリは好きだったよ。だから、もしかして、君の事をもっと愛せるようになっているのかもしれない。


ああ、見つけたよ。お帰り。


「ただいま、あなた」

百物語 (74/100)(2009.10.9 追記)

http://d.hatena.ne.jp/wonder88/00010101

心の旅5

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萌とは生を慈しむことだ。

それは無限だ。無限であれば、何を書いても良いことになる。なら、ぬか漬けさえ萌になるはずだ。だが同時に、何を書いたところで、何も変わらないことにも気付く。

萌理賞は終わっていたけれど、僕は今、満足の中ディスプレイを閉じる。残念なような、ほっとしたような気持ちで。

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2006-09-23シング ア 念仏

ジョジョが嫌いな殺人鬼なんかいません! - ファッキンガム殺人事件 - ファック文芸部


ジョジョ引用殺人鬼の独白。「かわいそうだけどあしたの朝にはお肉屋さんの店先にならぶ運命なのね」という台詞の嵌り具合は……。全日本殺人鬼トーナメントバカバカし楽しさを越えて怖い。この若きチャンピオンの目は、勝利を確信して全然関係ないことを喋りだすスタンド使い特有の、冷ややかに乾いた目で、インタビュアーを見てるんだろうなと思いました。


陸投良太は「リク投げ利用だ!」の解釈であってるだろうか…心配だ。

ロミオとジュリエット

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ロミオ! どうしてあなたはロミオなの?」

「親がつけたからだよ」

ロミオ! どうしてあたしはジュリ江なの」

「それも親がつけたからだよ」

ロミオ!」

「うるさいよ! 宿題やってんだよ!」

「お芋が焼けたわ」

「あ、そう」

「お芋、嫌いなの?」

「嫌い」

ロミオ! ああ、どうしてなの! こんなことってあるかしら! ああ! ロミオ!」

「ああ、もう」

「ロミ」

窓を閉めると、ジュリ江の声は聞こえなくなった。高い金を出して防音ガラスに変えた甲斐があったというものだ。

「ロムホ!」

突然、窓が開いて、ジュリ江が顔を出す。口に芋を咥えている。

「何?」

焼き芋ゲーム

「やらねえよ!」

窓を閉めて、今度はカギをかけた。

窓には、焼き芋をとりあう二匹の狐の様子が、影絵で映っている。

ああもう、何で俺の名前はロミオなんだ。

狐で窓を打ち破ったジュリ江、母さんに戻って、

「だって、思いついたから」

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2006-09-22胸やけにはまだ早い

第一回萌やし賞終了

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http://neo.g.hatena.ne.jp/comnnocom/20060922/p1


自作の反省をすると、1000字あったのを400字に収めようと躍起になった挙句、投稿して読み返したら、夏が消えてて、文章が不自然でテンポが悪く、まとまりがなくてへこんだ。でも講評を読むと、こんな感じのがやりたいと思ってたことを、好意的に読みとって頂いたようで、投稿した甲斐があったなあと思った。萌えプロ面白かったです。


萌理賞と比べて、やはり個人の嗜好というのが前面に出ている。講評とか意識的だろうけど萌える/萌えないでばっさり。大賞も個人によって違うだろうなあ。


しかし、萌えで講評するのは難しかったと思う。僕ならどうしても好きな文章のリズムとか言葉の選択、もしくは妄度の高いのを選んでしまいそう。妄想が広がる方が萌えるのか、萌えるから妄想が広がるのか。


部分的個人的感想

沙粧萌子―帰還の挨拶

幽霊出せば皆萌えるんだろ?とか思っていたのが自分だけかもしれないということに薄々気付き始めた。ヌードビーチだと思ったら違ったみたいな怖さ。

一晩で6センチ

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うだるような夏の日、先輩は4tトラックに轢かれて死んだ。

先輩の死には、『本人の不注意』というラベルが貼られた。


その夜、僕は現実を受け入れられないまま眠り、

「ちょっと、コラ!」

「あ、え?」

「起きなさいよ、早く! 溶けるわよ、脳がっ!」

朝になって、幽霊の先輩に叩き起こされた。

幽霊に布団を剥がされベッドから蹴落とされた僕は、軽いカルチャーショックを受けた。


「あんにゃろ……! 早く出てきなさい……」

さっきから先輩は電柱の陰に隠れて悪態をついている。

幽霊なのに隠れるんですか?」

「気分よ! 気分!」

まだ状況が飲み込めない僕が「足、無いんですね」と聞くと、

「何言ってんの、幽霊よ私」と先輩は呆れ、「暑くて脳が溶けてるのね」と哀れんだ。

美人で成績優秀、万能型の先輩は、思考が少し古かった。良く言うとノスタルジックな人だった。


間違いない、先輩だ、と僕が納得したとき、先輩がぽつりと呟いた。

「私さ、殺されたのよ」

時が止まった。そんな気がした。

「押されたわ。悪意と殺意を持って」

僕は先輩の背中を見る。溶けていた僕の脳はやっと形を思い出していく。


「でさ、犯人は必ず現場に舞い戻るわけ。だから」

「だから?」

「ここで待ってて、打ん殴る!」

嬉しそうに拳を握り締める先輩は、紛れもなく先輩であって、

「で、犯人の顔は?」

「わかんない」

僕にとってそれが、ずっと一番だったんだ。


「ここじゃあダメです。聞き込みしましょう。先輩に恨みを持つ人は多いはずだし」

「あんた、色々失礼なこと言ってるわよ」

「先輩の活動範囲と態度のでかさからすると」

「ちょっと」

「下手すれば、日本中…」

「おい!」

だから、

「時間がないんだ! 先輩がいつまで幽霊でいられるか!」

自分でも驚くほど大きな声が出た。あの先輩が少しひるんだ。

「…行きましょう」

自分が泣きそうなのがわかった。僕は先輩に背を向ける。

「ちょっと」

後ろから、いつもの先輩の声。

「背、伸びた?」


もう、伸びたってしょうがないんです。

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2006-09-21フェイス以外全部レス

だって僕は自分を信じているもん。自分を信じて夢を追い続けていれば夢はいつか必ず叶う

http://throw.g.hatena.ne.jp/sasuke8/20060914/p1

↑で、夢を語り、無責任にファック文芸部に「欲しい!」と願ったところ


xx-internetさんが見つけてくれて、そして早速hanhansさんが。夢が一つかないました。さすが、ファック文芸部!

http://neo.g.hatena.ne.jp/hanhans/20060920/p1


単純に嬉しさもあったのですが、中盤まで「ジョジョ」が出ないまま殺人犯インタビュー普通に惹かれていった所に、「あの方」の名前がサラリと出てきて、スルーしていたマフィアボスD氏がぐわっとイメージ化したあたりで、震えがきました。ぞぞっと。ああ、これ、こういうのが欲しかった。ありがとうございます。

吉良以外全部吉影

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追記

下の長いのを書いて寝ようとした直前に発見。ありがとうございます。


「吉良がいつスタンドを身につけたか」

http://d.hatena.ne.jp/duke565/20060921/p1

2.過渡期(スタンド発現直後)刺殺(または傷つけた)後、スタンドによる爆破。証拠隠滅方法として使用。このとき幽霊と化した鈴美は「一旦鈴美と同じ切傷がついた後」「爆殺される」女性の魂を見て、吉良が新たな殺害手段=スタンド能力を得たことを知る。

これはその通りだと思います。単行本が手元にないため細かい確認はできませんが、爆破能力は、殺人衝動よりも、何もかも無かったことにして平和に生きたいという思いから身に付いたような。バイツァダストも元に戻る能力ですよね。

性格もありますが、吉良がスタンドを身に付けても、天下とったらぁという気にならなかったのは、アレほどのスタンド武器として見てなかったんじゃないかと思います。ドラえもんの凄い道具を、エッチ目的や、しょうもないことにしか使わないのび太に、思考が似ているような気がしますね。


いまさらだけど、こんなことばっかり考えている人がいることが嬉しいなあ。

健全な殺意

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純粋殺意程、弱く脆いものはない」

「そう?」

「そうだよ。例えば、君が強い性欲に動かされて、自慰行為を行なうとする。おっと、例えばの話だよ。例えば。…で、それはほぼ純粋なものだろう。一つの強力な欲望しか依らない行為だ。だが、行為の終了と共に、それは消えうせて、後には後悔だけが残る。ああ、また僕はやってしまった。あの人を汚してしまった。もっと単純には、片付けるのが面倒だ」

「一つのものに依ることの弱さと言いたいのか」

「複合的な動機やモチベーションなら、また違った後味になるだろう。人は目的を持つだけで同じ行為に満足を得られる生き物だ。……さて、殺意の話に戻ろうか」

「……」

純粋殺意、他者を殺したいという強い気持ち、それだけが人を殺す理由だとしたら、それは不幸だ。人を殺すといこうことが、現代において、社会的、人道的に悪徳であることを知る我々にとっては、それは取り返しのつかない悪業なのだからね」

「既に23人もの人間を殺したあなたもそう思う?」

「思うさ。もちろん。そして純粋殺意のままに人を殺した彼/彼女は、殺意の充足と共に、きっと苦しみ続けるだろう。そしていつか裁かれるだろう。裁くのは、社会か、彼/彼女自身かはわからないが、必ずね。この悲しみの原因はね、不健全な殺意にある」

「あなたの殺意は健全なのか?」

「健全な殺意は健全な精神と肉体に宿る。僕の殺意は健全さ。必要なだけ、我慢して、安全に、確実に殺している。人殺しが悪いことだと考えているからこそできるんだ。僕の好きなヒーローディオという男がいる。彼は目的のために殺人でも何でもやる男なんだが、彼を追う男が彼に聞くんだ。『貴様、一体、何人の人間を殺した!』それにディオクールに聞き返す。『貴様は、これまで食ったパンの数を覚えているのか?』ははは、名言だ」

「それが、あなたの理想か」

「少し違う。これはディオだからできることさ。ディオのようにパンを食べるように人は殺せない。でもね、基本的な考え方は同じなんだ。殺人も、パンを食べることも、私の日常の一つの選択肢だと考えることが大事なんだよ。ただ、殺人の方は僕自身が、良いことだと思っていなくて、社会的なリスクも伴うというだけでね」

「なら、何故あなたは殺すんだ?」

「仕方がないからさ。必要で可能だから。そしたら、多少悪いことでもしてしまうさ。君は学生時代、いけないことだと知りながら、煙草をすったことはないかい? あ、そう。真面目だね。僕はあるよ。仲間に誘われてビクビクしながら屋上で吸った。今は吸ってないよ。そのときだけさ。ほんの少しのスリル、仲間になるための儀式。それだけだった。今はやらない。吸う必要性がないからね」

「やはり健全な殺意がわからない」

「言い換えると、人間らしい心を持った殺意ということかな」

「わからない」

「そうだな。君はまた特別だからね。本当に、うらやましい。殺人社会的、人道的に認められていないといったけど、いくつか例外もある。戦争のとき。凶悪殺人犯死刑にするとき。捜査中、犯人の抵抗にあって、止む無く殺してしまうとき」

「私の殺意は健全だろうか」

「話を最後まで聞いてくれてありがとう。君の殺意はすこぶる健全だよ。安心したまえ」

「そうか」

そして、銃声が一つ。暗転。

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2006-09-20フランス以外全部革命

ようこそ、男の世界へ

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純一は、自分のバットを握り締め、その硬さを確かめる。バッターボックスに入る前のいつもの儀式である。

最近では、バットの手入れに人を雇ったり、彼女にしてもらう選手が多いが、純一はいつも1人でそれを行なう。純一は、口に出したことはないが、この場所に女は必要ないと思っていた。純一はホモセクシャルというわけではない、ただこのスポーツに心底惚れているのだけなのだ。この時代において野球は男の世界であった。

純一がバッターボックスに立つ。ゆっくりと、バットピッチャーの方に向ける。バットの先はピッチャーを越えて、ずっと先の空を指している。いつもの純一のパフォーマンスに観客は沸き立った。

ピッチャーは、キャッチャーとやり取りする振りをしながら、ボールを何度も握り締めている。球に汗を染込ませ重量を上げているのだ。純一はそれが悪いと思わない。反則ギリギリの行為すら折り込んで、純一は野球を愛していた。

純一のバットは、決して折れない。


30日午後、京都市左京区において、自らのバットを振り回していたとして、岩田純一(43)が猥褻物陳列罪で逮捕されました。

純一容疑者は、現役時代、日本野球史上、最高のバッターとも呼ばれ、日本を三度世界一に導くなどの偉業を達成した選手でしたが、試合中、場外ホームランと引き換えに、自らのバットを折るという痛ましい事故により引退していました。家族は、引退直後から、突然家族の前でバットを握り締め叫びだすといった、おかしな言動が多くなったと話しています。

<<ニュースより抜粋>>

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2006-09-19沙粧萌子-最後の事件

第一回 萌やし賞

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http://q.hatena.ne.jp/1158331166

脊椎反射的に飛びついてしまったのだけれども、投稿してから少し後悔。自作の反省は、講評してもらってからいたします。

comnnocomさんの萌理賞投稿作品及びコメントプロファイル結果は以下


つまり、元委員長の教師の万能型先輩が、日常的に非日常的手法をもって、主人公である後輩をイジメまくるんだけど、結局は純粋乙女心主人公クラリ、みたいな壮大なストーリーを書けば優勝(?)できるという結論に達した。書けなかったけど。


あと、萌えプロファイリングは自分の闇にも向き合うという意味で危険である。

トラックバック - http://throw.g.hatena.ne.jp/sasuke8/20060919

2006-09-18ハナクソリズム

心の旅3

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「よろしくお願いします」

虎はなんと人語を喋った。年を経た虎は人語を解すというが、僕はまだ硬直を解くことができない。口は動かず、ご丁寧にどうもとだけ思った。


仙人は消え、僕は虎と竹林にこもり萌を学んだ。学んだといっても、虎は余り喋らず、僕は虎に竹林に様々な生き物を紹介されるだけだ。しかし全ての生き物が虎のように喋れるわけでなく、僕が一方的に喋って終わりということがほとんどであった。


数ヶ月が過ぎた。

今日は、誰と会うんですか」

既に、虎への恐怖は消えていた。畏怖と尊敬と、信頼だけがある。

「もう、この山の全ての生き物と会いました。おしまいです」

「…そうですか」

残念な気持ちを隠せなかった。私はいつの間にか、生き物との会話そのものに楽しみを見出すようになっていたのだ。私が、何故ここにいるのか、その目的を忘れたわけではないのだが。

「萌が、わかりましたか?」

虎は、真っ直ぐな目で僕に聞いた。

「わかりません」

僕は、正直に答えた。

虎は、残念そうに「そうですか」と言った。

「私は、仙人様から、全ての生き物と話した後も、あなたが萌えをわからなければ、食い殺せと仰いました。私はあなたを殺さねばなりません」

「そうですか」

このとき僕の心は、細波すらたたず、澄んでいた。この美しい虎に殺されることに、清々しい誇りすらあった。僕はすんなりと、死を受け入れた。


僕は生きるために、会話した生き物を殺して喰った。最初は涙が出た。しかし、僕がここに生きているということは、そういうことなのだとわかってからは、涙も出なくなった。だが、僕はまだ、あの涙の後始末を望んでいたのかもしれない。

「どうぞ。あなたに食べられるのなら、それでいい」

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2006-09-14夢見るように煙りたい

「ジョジョ」を引用する殺人犯の話が読みたい

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面白い人のブログ記事を読んでいるときに、全然関係の無い話題のなかで、さりげにマニアックスタンド名やらエピソードが挿入されると、一気に魅了される。それが狙ったというよりも、ごく自然に想起されて使用したと思われる場合は特に痺れる。多分「ドラえもん」でも同じようになる。「シグルイ」はちと早いと思う。

遠くのあの人もこの人も実は同じ大樹のふもとにいたというような親近感だろうか。よくわからない。


そこで思った。小説の悪役、魅力的な殺人犯人などは積極的にジョジョ引用すべきだと思う。

ディオや吉良に敬意を払うような殺人犯人の独白が聞きたい。

冷静沈着のくせに持論のスタンド最強説を否定されたときに激昂してほしい。

マニアックスタンドを例にして、殺人動機を説明して欲しい。

問いかけを無視して、さっきふと思いついたスタンドの矛盾に考えをめぐらして欲しい。

ジョジョを賢い人間言葉で、語ってほしいッ!

誰か、ジョジョ引用する殺人犯の話を書いて欲しい!

「欲しい!」キャンペーンに便乗したら誰か書いてくれないだろうかと思った。でもこれだとセカチューだと思われるか。思わないか。もう一度。

○○さん、ジョジョ引用する殺人犯の話を書いて欲しい!

具体的な名前を入れてみよう。

ファック文芸部さん、ジョジョ引用する殺人犯の話を書いて欲しい!

誰かに届かないかなあ。来てよ、パーマン

はてな新サービス「はてな神龍」

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はてなダイアリーで「○○欲しい」と書いたら1年に3人だけ実現するという「はてな神龍」は出来ないだろうか。ナメック語はわかんないが「はてなポルンガ」でもいい。


でも、そうなると「はてなドラゴンボール」のシステムが出てきて、きっと「はてなドラゴンボール」争奪戦になる。ある日、見ず知らずの人がコメント欄に「これを頼みます…」とか書いて、「はてな三星球」を置いていったせいで、適当日記とか書いてただけなのに、アルファはてなーに目を付けられて、壮絶なDISや、無責任ブックマーカーに観察される毎日がやってくる。「はてな三星球」をくれた人は既に退会していて、「ご指定のページが見つかりません」の文字が哀しい。しかし、幾度かの良エントリを書きあげた自信や新しい仲間のおかげで、著しい成長を遂げていた主人公は、その「URLをもう一度お確かめ下さい。」のページの前で誓うのだ。

「絶対、はてなドラゴンボールを集めて、俺をDISった奴らを皆殺し(退会)にしてやる!」


ただしかし、製作者の力を超えた願いが叶えられないことを、平成の後に生まれた主人公はまだ知らなかったのであった。

2006-09-05詳細をぶんなげる

鶴の恩返し

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「見てはいけないと言ったのに…」

「お、お前は」

障子の向こうには美しい鶴がいた。そして、機織機の傍らには天井から吊るされた男の姿があった。男が、低く、ウウと呻いた。顔は、血まみれで判別ができない。

男は皮を剥がされて、吊られていた。


翁は男の肩に大きな火傷の跡を見つけた。

「源蔵…」

カタリと機織が鳴った。

翁は、唐突に我に返った。

苦しくなって息を吸う。頭が回転する。心が軋み始めた。

頭が理解し、心が拒絶する。


「では、この、着物は。お前が、織った、着物は」

翁は、慌てて、羽織を脱ぎ捨てた。床に広がった羽織の皺が、亡き妻の顔に見え、翁は、たまらずに吐いた。

「おおお、おおおおおお……」

男がウウと呻く。血の匂いがする。吐瀉物のすえた匂いがする。

懐かしい妻の匂いがした。翁はむせび泣いた。


「私は、あのときのつるです。」

鶴は、白い着物を血で汚しながら、美しい声で、静かに言った。


あのとき。

雪の中。撃ち殺したツル。赤い血。子供。ツル。赤い血。銃。源蔵。赤い血。白い雪。赤い血。ツル。赤い血。血。つる。裏切った。血。殺した。血。血。血。血。血。血。すまない。血。血。血。血。血。血。血。血。血。「お願い! 殺さないで!」

翁は目を瞑る。


「おじいさん、これまで、どうもありがとう」

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