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2006-09-22胸やけにはまだ早い

第一回萌やし賞終了

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http://neo.g.hatena.ne.jp/comnnocom/20060922/p1


自作の反省をすると、1000字あったのを400字に収めようと躍起になった挙句、投稿して読み返したら、夏が消えてて、文章が不自然でテンポが悪く、まとまりがなくてへこんだ。でも講評を読むと、こんな感じのがやりたいと思ってたことを、好意的に読みとって頂いたようで、投稿した甲斐があったなあと思った。萌えプロ面白かったです。


萌理賞と比べて、やはり個人の嗜好というのが前面に出ている。講評とか意識的だろうけど萌える/萌えないでばっさり。大賞も個人によって違うだろうなあ。


しかし、萌えで講評するのは難しかったと思う。僕ならどうしても好きな文章のリズムとか言葉の選択、もしくは妄度の高いのを選んでしまいそう。妄想が広がる方が萌えるのか、萌えるから妄想が広がるのか。


部分的個人的感想

沙粧萌子―帰還の挨拶

幽霊出せば皆萌えるんだろ?とか思っていたのが自分だけかもしれないということに薄々気付き始めた。ヌードビーチだと思ったら違ったみたいな怖さ。

一晩で6センチ

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うだるような夏の日、先輩は4tトラックに轢かれて死んだ。

先輩の死には、『本人の不注意』というラベルが貼られた。


その夜、僕は現実を受け入れられないまま眠り、

「ちょっと、コラ!」

「あ、え?」

「起きなさいよ、早く! 溶けるわよ、脳がっ!」

朝になって、幽霊の先輩に叩き起こされた。

幽霊に布団を剥がされベッドから蹴落とされた僕は、軽いカルチャーショックを受けた。


「あんにゃろ……! 早く出てきなさい……」

さっきから先輩は電柱の陰に隠れて悪態をついている。

幽霊なのに隠れるんですか?」

「気分よ! 気分!」

まだ状況が飲み込めない僕が「足、無いんですね」と聞くと、

「何言ってんの、幽霊よ私」と先輩は呆れ、「暑くて脳が溶けてるのね」と哀れんだ。

美人で成績優秀、万能型の先輩は、思考が少し古かった。良く言うとノスタルジックな人だった。


間違いない、先輩だ、と僕が納得したとき、先輩がぽつりと呟いた。

「私さ、殺されたのよ」

時が止まった。そんな気がした。

「押されたわ。悪意と殺意を持って」

僕は先輩の背中を見る。溶けていた僕の脳はやっと形を思い出していく。


「でさ、犯人は必ず現場に舞い戻るわけ。だから」

「だから?」

「ここで待ってて、打ん殴る!」

嬉しそうに拳を握り締める先輩は、紛れもなく先輩であって、

「で、犯人の顔は?」

「わかんない」

僕にとってそれが、ずっと一番だったんだ。


「ここじゃあダメです。聞き込みしましょう。先輩に恨みを持つ人は多いはずだし」

「あんた、色々失礼なこと言ってるわよ」

「先輩の活動範囲と態度のでかさからすると」

「ちょっと」

「下手すれば、日本中…」

「おい!」

だから、

「時間がないんだ! 先輩がいつまで幽霊でいられるか!」

自分でも驚くほど大きな声が出た。あの先輩が少しひるんだ。

「…行きましょう」

自分が泣きそうなのがわかった。僕は先輩に背を向ける。

「ちょっと」

後ろから、いつもの先輩の声。

「背、伸びた?」


もう、伸びたってしょうがないんです。

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