だって、思いついたから このページをアンテナに追加 RSSフィード

2006-10-01名探偵は推理をしない

司会探偵

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「さあ、では登場してもらいましょう。真犯人さんです!」

「あ、え?」

「いやー、見事な完全犯罪でしたね。一見、不可能犯罪に見せかけておいて、実際は1人の人間に容疑が向くように仕向ける」

「いや、別に……」

「いやいや、なかなか出来ませんよ。○○さん、できます?」

「いや、小説を書くのとは全然違いますから」

「ですよねー。真犯人さん、自信もっていいですよ」

「……はあ」

「さて。では当時の再現VTRを見ながら、真犯人さんにそのときの心境とトリックについて語っていただきます」

「あ、はい」

「では、カメラに向かって、張り切って、あのセリフお願いします!」

「あ、えーと、『犯人は私です』」

「はい、自供はいりましたー。お疲れ様でーす」

「お疲れ様でーす」

一気に緊張感が解けたスタジオから、犯人警察に連れられていく。

ディレクターが司会の男に近づいてくる。

「お疲れ様でした! いやー見事な手腕です。これは視聴率も期待できますよ」

「いやいや、私は何もしていませんよ。一番知っている人に話を聞いた、それだけです」

司会の男は、謙虚に言葉を返し、ディレクターに礼を言って離れる。


司会の男は、スタジオから出る前の犯人に、声をかけた。

「髪、切りましたよね?」

犯人は少し恥ずかしそうに「よくわかりましたね」と言い、司会の男はそれを聞いてにっこり笑った。

そのまま、犯人は振り返らずに、スタジオを出て行った。

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