2007-04-01エイプリルフール記念!100エントリ更新!
正しい資質
実験 |
第九回萌理賞――
http://q.hatena.ne.jp/1175088378
「何でよ! 幽霊は入学できないっての?」
「ええ、まあ」
「はッ! 幽霊が入学出来なくて、何が萌理! 何が学園異能! 笑止!」
「いや、だってあなた、試験受けてないでしょう」
「じゃあ、学校もねえだろうが!」
一歩もひかない幽霊の女の子に困り果てた門部の生徒に、頭の禿げた小柄な男が近づいてくる。
「どうしました」
「教頭先生」
助かったという表情で、生徒は事情を話す。
すると教頭は、にっこり笑って、
「学ぶ意思のあるものを、拒むわけにはいきませんね」
「話がわかるぅ」
女の子は嬉しそうに門をくぐり教頭の脇を通り抜けたところで、突如後ろに出現した殺気に、透けた身体を震わせる。
「では裏試験開始です。内容は、『嫌味な教頭を殴り倒して、そのまま入学式に乗り込む』、ということで」
にっこり笑ったまま拳を握りこみ、腕を前に出し、腰を沈めた教頭の姿がそこに在った。小さな身体は、引き絞られた弓の矢のように女の子を狙っている。女の子は死んでから初めての怖気を覚える。
「あなたは覚悟してきてる人、ですよね? 幽霊だからって、死なないわけではありませんよ」
じーざす……女の子は低く呟いて、拳を前に突き出した。
飛び抜けた個性、並外れた幸運または不運を身に纏った人間が、試験―入学というシステムに収まるとは限らない。しかし、萌理学園の求める人材とは、得てしてそのような者達であった。故に! 規格外の人間をサルベージするためのシステムが、ここ萌理学園にはあった!
コメント
sasuke82007/04/01 22:55なんか萌理賞に回答資格がなく、振り上げた物語をどうすることもできず、ここに書いた次第であります。はてな、嘘だと言ってくれ。
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