だって、思いついたから このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007-04-20ディアボロは悪くない!悪いのは私なの!

密室

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「この部屋は完全な密室だった! その部屋にどうやって犯人は入りこみ、被害者を殺し、そしてまた出てくることができたというんだ!」

密室は、入ることも出ることもできないから密室なんです。入りこみ出てくる事ができたら、それは密室じゃない」

「じゃあ、君は、この事件は他殺ではないというのか」

「いいえ、他殺です。他者の悪意が被害者を殺害せしめたのは間違いない。そして密室であることもまた、間違いないのです」

そして探偵は薄く笑い、解答編がはじまる。


被害者は、200キロ超のあぶらぎった力士風の男達数十人にもみくちゃにされた状態で発見されました」

「完全な密室だ!」

「その通りです。男たちの肉は押しつぶされ変形し部屋の空間という空間に柔軟に広がったことで、部屋は完全に密封されてしまいました。問題は、この完全な密室犯人はいかにして入り込み被害者を殺害しまた出て行ったのか。逆に考えるのです。犯人密室に入る必要など無かった。むしろこの密室を完成させ、被害者を窒息死させることが犯人の狙いだったのです」

探偵は語り終え、目を伏せた。

「な、なんだって! 」

「部屋に200キロ超のあぶらぎった力士風の男達を数十人配置した時点で、犯人殺人は完成していた。後は被害者が窒息して死ぬか、押し潰されて死ぬかを待てば良いのです。今回のように被害者が極度のストレスから心臓麻痺引き起こして死ぬケースは稀でしょうがね」

「そうだったのか。我々は200キロ超のあぶらぎった力士風の男達でうまったこの部屋を見て、即座に不可能状況だと断定しまった……」

「200キロ超のあぶらぎった力士風の男達の身元を洗い出せば、犯人には辿り着けるでしょう。そこからは私の管轄外です」

「協力を感謝する」

いえ、と短く答え、探偵は部屋を出て行く。

こうして、200キロ超のあぶらぎった力士風の男達数十人殺人事件は幕を閉じた。

探偵を見送りながら、警部は「何だコレ……」と呟いたが、風に飛ばされて消えた。

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