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2007-05-06オダギリさーまと、おジョーさま

少年バット 第7話『少年バットvs日本刀少女』

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ハイライト


「さあさ、お待ちかね。やってきたよ、この僕が。走る学級崩壊破壊破壊破壊の申し子。叩き壊す風。災厄のトロンボーン少年バットが見参したよ。さあ! 始まりだ! 一列に並ぶが良い愚民ども。そして、その訳の分からないこんがらがった事々を僕の前に差し出すんだ。このイチローサイン入りバットで順番に、叩き壊してあげようじゃないか!」

その場にいた大人達は、動きと呼吸を止めて、少年を見る。バットを肩にのせ、お面を被った小学生。その華奢な身体は、学級崩壊はよしとしても、破壊破壊破壊の申し子とは程遠い。だがしかし、大人達は見てしまっている。鉄製の扉をバット一振りで破壊した少年の姿を、止めに入った警備員が、10メートルは離れたところに折り重なっている姿を。そうだ。あれが、噂の、少年バットだ。

だが、さらに大人達は見た。動けない大人達の間から、一人の少女(古めかしい黒いセーラー服の黒髪おさげ少女)が微笑みながら前に出るのを。少女が、手に持っていた細長い袋の口を開け、黒い鞘から日本刀を抜いたのを見て、大人達は度肝をぬかれる。

少女は、にっこりと笑い、その高く可愛らしい声で言った。

少年バット。待ってたよ」

そのまま少女は前に駆け出す。少年バットの方向へ。叫びながら。

「恋する気持ちを筋力に! 夢見る心を手足のバネに!」

少女の細い両腕は、一瞬2倍程に膨れ上がったように見えた。そのときには既に少女少年バットの目の前に現れている。

「一、刀、両、断ッ!」

息が吐かれると同時に、大上段から日本刀が振り下ろされる。

ガキヒイイイギガガガと耳障りな音と火花がバット日本刀の間に弾ける。

少年バットは、勢いに押される形で、後ろに下がる。受け止めた少年バットが体ごと、地面に埋まっていく。

バットを持った両腕の力を緩められない。緩めると一刀両断されるような気がする。少年バット少女の目を見る。少女の目はぐるぐると渦をまくように、黒目が揺れて踊っている。

「あんた何?」と少年バットは声を絞り出す。

日本刀少女」と日本刀少女は即答する。

「頭がおかしいの?」

「あんたに言われたくない。バット振り回して、何がしたいの」

「全部ぶっ壊すんだ」

男子ってバカなのね」

「女子はアホだよな」

「あははははは」

「あははははは」

地面に背中が触れると同時に、少年バットは足で日本刀少女の腹を蹴り上げる。足が腹に届く前に、日本刀少女は地面を蹴って、自分から空に投げ出される。

日本刀少女くるくると綺麗に回転して地面に着地する瞬間には、少年バットは、バットを構えて立っている。日本刀少女の着地点は、少年バットストライクゾーン少年バットは当然叫ぶ。

「カッキーン!」

ジャストミートしたバットはしかし、日本刀少女日本刀に受け止められている。弾かれて日本刀少女は低い弾道で後ろに下がり、直ぐに着地した。

しかし着地はほんの一瞬で、少年バットバットが戻ったときにはその懐にいる。勢いの乗った逆袈裟の斬撃は、咄嗟に上体を反らせて避けた少年バットのお面を吹き飛ばし、返す刀は、やっと間に合ったバットに受け止められる。

鈍い金属音が辺りに響く。

ぐぐぐと力が籠められると、バットに刃が食い込む。日本刀の切れ味ではなく、単純な圧力で、バットにめりめりと食い込んでいく。

あ、やばいかなと少年バットが思ったそのとき、日本刀少女からの力がふっと緩んだ。勝機と見るか、勝負の終わりとみるか、少年バットの一瞬の逡巡が、バットの集中力を途切れさせた。瞬間、バットは切断され、少年バットの鼻先を日本刀の切っ先がかすめた。

死んだ。だが呆然とする少年バットを尻目に、既に日本刀少女は間合いの外で背を向けている。

遠くでチャイムの音が鳴っていた。昼休みの終りを告げる鐘。

日本刀少女は、何事もなかったように歩き出すと、崩壊したビルの瓦礫の下から、鞘を取り出す。

そして、日本刀少女は振り向くと、ふんと息を吐き、

「次は殺す」

言葉を吐き捨てて、振り返りもせずに去っていく。

少年バットは、遠くに消えていく少女の背中を眺め、次に切断されたバットを見つめると、その後姿におもいっきりバットを投げつけた。バット日本刀少女の後頭部に命中し、日本刀少女は「あいたっ!」と叫んで、派手にこけて、動かなくなった。




次回予告


第8話『逆襲の中年ドライバー



少年。オイタが過ぎたようだな」

「老いたのはあんたの方だろう。中年アイアンさん」

「くっふっふ。私は既にアイアンではない。みよ、この神々しいクラブを。樹齢千年を越える竜樹より削り出されたこのドライバーを掲げる私は無敵。不敵。素敵。そんな私の新たなる名を、聴け! 遅すぎたかっとびドラコン。中年ドライバーだっ!」



イチローサイン入りバットを切断され、ふてくされる少年バットに、かつての強敵中年アイアンが中年ドライバーとなって立ちふさがる!

どうなる少年バット! 危うしだ!


回帰線

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