だって、思いついたから このページをアンテナに追加 RSSフィード

2007-06-29恐竜と一緒に滅べば良かったのに

全部、君のせい

| 全部、君のせい - だって、思いついたから を含むブックマーク はてなブックマーク - 全部、君のせい - だって、思いついたから

最近、夜眠れないんだ。君のせいだよ」

「何で」

「君の事を考えている内に、朝が来る」

「へえ」

「食事も喉を通らない」

「大変ね」

「君が近くに来ただけで、僕の心臓は破裂しそうに鼓動が早まる」

「あらら」

「呼吸が荒くなって、しゃがみ込みたくなる」

「何かの病気じゃないの」

「全部、君のせいだよ!」

「何よ」

「本当は、直ぐに言えばよかったんだ。でも、君の答えを聞くのが恐ろしくて、ずっと言えなかった」

「何を」

「でも、もう限界だ。言うよ。ちゃんと聞いて」

「だから、何よ」

「頼むから、ストーカー行為をやめてくれっ!」

「嫌。私がこうなったのは、全部あなたのせい。どうしても、私を受け入れられないのなら……」

トラックバック - http://throw.g.hatena.ne.jp/sasuke8/20070629

2007-06-23掲載紙を変えて再スタートのパターン

第1話「妹はバットを持って」

| 第1話「妹はバットを持って」 - だって、思いついたから を含むブックマーク はてなブックマーク - 第1話「妹はバットを持って」 - だって、思いついたから

第一部「父さんが脱サラして」

http://throw.g.hatena.ne.jp/sasuke8/20070524/p1


病院に入って二週間が経った。僕はなんとか歩けるようになり、下の世話も自分でできるようになった。そして、新しい友達もできた。彼女は僕の隣の部屋に入院していて、僕がトイレから帰るとき、開けっぱなしだったドアから彼女笑顔を見たのだ。何度目かの偶然による逢瀬の後、僕から話しかけた。


そして今日彼女の部屋でテレビを見ながら話していたのだった。僕らはたわいも無いことで暇な時間をやり過ごしている。突然、笑顔だった彼女の顔が曇った。何か悪い事言ったかなと僕は少し不安になったが、黙って彼女が指差しテレビ画面を見ると、そんな不安など吹き飛ばすような衝撃をうける。ソース防犯カメラなのだろうか、粗い映像には、まず堂々とコンビニの棚から物をとって袋につめていく少女が、ついで止めに入った店員を、少女バットで殴りつける様が映し出される。その少女は間違いなく、僕の妹だった。



⇔妹篇:リレー小説少女魔王バット少年勇者バット『01奇跡の再始動』 :兄がバットを持って

http://yarukimedesu.blog19.fc2.com/blog-entry-1601.html#01

第2話「看護士は不敵に笑い」

| 第2話「看護士は不敵に笑い」 - だって、思いついたから を含むブックマーク はてなブックマーク - 第2話「看護士は不敵に笑い」 - だって、思いついたから


テレビを見ながら僕は固まる。汗が吹き出る。そして次に震えがやってきた。体がバットの感触を思い出している。繋がった骨が軋む。関節が悲鳴をあげる。

「大丈夫?」

いつの間にか、彼女が僕を心配そうに見ていた。叫びだしそうだった心が少しだけ落ち着く。

今一番大事な事を考えろ。

彼女は守らなくてはならない。

守るには、

「あ」

彼女が驚き声を漏らす。テレビでは新たに出現した初老の店員が、バットを掴んで妹を制していた。そして血だらけの店員は立ち上がろうとしている。このコンビニはまだ戦っている。


「そうだ……戦わなくちゃ…」

僕は決意する。彼女は守る。妹は……。

「え……あ!」

しかしテレビは更なる異常を映し出していた。

バットを手に立ち上がった店員が妹と膠着状態に陥った直後、後ろからバットで殴られた。殴ったのは妹。妹が二人、テレビに映っている。直後カメラににっこり笑った妹のアップが映り、その後砂嵐になった。これは……三人いる……!?


砂嵐ニューススタジオに戻る。「……このように全国で同じ格好をした少女に襲われる事件が多発しています。警察は……」

同じ格好処じゃない。あれは妹だ。妹? なんだ。何が起こってる。まとわりつく不安が、決意を溶かそうとしている。僕一人でなんとかできるのか?

「私が、助けてあげようか?」

その声は彼女でなく、入り口の方から聞こえた。入り口にもたれかかるのは僕についている看護士彼女は薄い笑みを浮かべ僕を見ていた。



⇔妹篇:リレー小説少女魔王バット少年勇者バット『01奇跡の再始動』:勇者特有の術

http://yarukimedesu.blog19.fc2.com/blog-entry-1601.html#02
トラックバック - http://throw.g.hatena.ne.jp/sasuke8/20070623

2007-06-18白の岸辺

妄想代行

| 妄想代行 - だって、思いついたから を含むブックマーク はてなブックマーク - 妄想代行 - だって、思いついたから


神様はヤケクソ気味に言いました。

「なんかもう、お前らの願いとか、ようわからん」



ある日、世界中人間が夢を見る。そして皆が預言者となる。


「1年に1度、神の代行者が、新たな世界を創る」


特S級のシンクロニシティ人類を迷わせない。ルールは急速に解明されていく。

一年に一度、選ばれた一人の人間が望んだように、世界は改変されること。

選ばれる基準はまだわからないこと。突然どこかの誰かが選ばれて、選ばれた人間は、その瞬間に、発光するとか、光の柱が上がるとか、空に飛び上がるとか、背が伸びるとか、もう色々言われている。だが、選ばれた本人は選ばれたことがわかる。

望みが叶うのは、X月X日のX時X分ということ。

その時間に、選ばれた人間が頭に考えたとおりに、世界は変わること。考えたことが事実となり、因果物理法則は瞬間消え去る。

特に大国や有名人は、酷く怯えた。自分を知るどこかの誰かにより、自分の存在が変えられてしまうのだから。今、絶頂にあるものほどそれを恐れる。世界中の皆が恐れに恐れ、期待に期待したが、なかなか世界は変わらない。もしかしたら、変わっているのかもしれない。とにかく十数年が過ぎた。


そして、今年の代行者が決まる。それは中学1年生の少年。眠たい5時間目の国語の時間中に、少年は突如発光した。光の中から、少年の笑い声が聞こえたと同級生は語る。少年は直ぐに国に自身の保護を要請し、さらにテレビ局と独占契約を結び、願いの叶う日の独占生中継を約束させた。行動は素早かった。前から考えていたのだと少年は語った。

折りしも台風が近づいていた。


続きを読む

2007-06-16夢か……運命か

リア・ディゾン前夜

| リア・ディゾン前夜 - だって、思いついたから を含むブックマーク はてなブックマーク - リア・ディゾン前夜 - だって、思いついたから

私の少女時代は、待つことだった。私が私であるためには、ただただ時間が必要だった。1秒が1秒かかって進むことにとても苛立った。あのころ、私をいつも怒鳴りつけた村長の言葉が思い出される。




「……リア……リア! リア・ディゾン!」

ぼんやりとしていたようだ。私は呼び声に引き戻される。カウンターで頬杖をついていた私の横に、いつのまにか、憤懣やる方ない顔で、声の主が座っていた。

「もう、何よ。あんたが全然帰ってこないから、探しにひたのに」

そう言って、私にもたれかかる彼女は、既に呂律が回っていない。飲み過ぎだ。

「わたひはね。リア。みんなでね……」

この国の人間達は、自らの限界を伸ばすことよりも、限界に挑む事を尊ぶ。聞こえはいいが、要するに現実を見ていないのだ。彼女のように。

「わかったわ……直ぐにいく……」

「直ぐに……? 何、リア。もしかして、マスターとできてんのぉ」

カウンターの向こうには、眠たそうな目をした男がグラスを磨いている。しかし、男は私達を見ても、全く表情を動かさない。

「バカなことをいってないで……」

私は、彼女の肩を持ち、”みんな”の方へに押し出す。そちらでは、泣きじゃくる女と、笑い転げる女が、それでも酒を飲み続けている。

「……んなわけないか」

にっこりと笑うと、彼女は、二人の下にふらつく足で向かう。溜息をついて、私も席を立とうとする。そこに、男がカクテル差し出した。

「頼んでないわ……」

サービスです」

男の目は相変わらず眠そうで、私は溜息をつき、男を睨む。

「必要ない……気持ちだけ、ありがと……」

男は、少しだけ目を見開き、私を見つめる。

「今は、リア・ディゾンと呼ばれるのですか?」

瞬間的に、記憶が刺激され、でも、

感傷よ……それは」

私は、過去に向かって微笑うと、カクテルを手にとった。

「これ、やっぱりもらうわ」

そして、喧しい現実に向かって、歩き出す。後ろから、男の呟きが聞こえた。

「生きてたのか……Dの意思は」

Dの意思じゃない。

それはもう、リア・D・ゾンの意思。



グラビア王に、俺はなるっ!」

「バカ言うな!」




そして、伝説は始まった。

http://throw.g.hatena.ne.jp/sasuke8/20070602/p1

トラックバック - http://throw.g.hatena.ne.jp/sasuke8/20070616

2007-06-12サザンが苦

九九連続殺人事件の解決

| 九九連続殺人事件の解決 - だって、思いついたから を含むブックマーク はてなブックマーク - 九九連続殺人事件の解決 - だって、思いついたから


犯人が、分かりました」

「ほ、本当かね……!」

「はい。おそらく、これで事件は解決します」

言葉とは裏腹に、探偵は暗い顔でうなずいた。


探偵は、広間に関係者を集める。

「70人もの人間が死んだこの連続殺人事件。それを繋げる糸が、やっとわかりました」

ざわめく広間。警部は探偵を促す。

「早く、言いたまえ」

探偵は、真っ直ぐに広間の人間を見つめて言った。

「それは、九九です」

「九九……!?」

探偵は、用意されたホワイトボードに、数式を書いていく。1×1、1×2、1×3……。

「殷一が胃血、殷二が煮、殷三が酸……、二人が死、兄さんがロック……、全てを言う必要はないでしょう。連続殺人における被害者の状況、これらは全て九九の見立てなのです。そして、この九九の謎を解いたとき、犯人がわかった」

警部は手帳を捲りながら、呟く。

「殷一さんは、毒で血を吐いて死に、殷二さんは、風呂で煮られて死んだ。殷三さんは、青酸カリで……まさか、そんな」

「その、まさかなのです。私は9人目の被害者がインクを丸呑みして死んでいた所で仕組みに気付いた。しかし、まだ犯人には至らなかった。そして、70人もの被害者を出して、やっと、犯人にたどり着いたのです」

探偵は、一旦言葉を切ると、考え込むように目を瞑った。しかし、決意したように、説明を再開する。

「70番目の被害者の死因は、体中を蜂に刺されてのアナフィラキシーショック。この被害者は、連続殺人事件に巻き込まれ、商売に失敗、財産家族を失い、恋人に別れを告げられた。そして被害者の大嫌いだった虫に囲まれて死ぬという四重苦を味わっているのです。つまり、ここで『蜂死致、四重苦』の見立てが行なわれていたのです。そして、ここに犯人の失敗があった」

「ん……? ふむ。そうか……、おかしいぞ」

「そう。8×7は49ではない。56です。犯人は九九を間違えている。7×8、『死地は誤銃ロック』では間違ってなかったのに。つまり、犯人は」

「8の段が苦手…」

「そうです。そしておそらく、それだけではない。犯人は、まだ8の段を習っていない」

「な、なんだって…!」

「つまり、犯人は」

探偵は、ゆっくりと右手をあげ、一人の人間を指差す。

「この中で最年少……小学2年になったばかりの亜由美ちゃん、あなたですね」

広間は静まり返る。そして、ぱちぱち、と小さな拍手が起こった。

「……その通りよ。探偵さん」

驚愕し、動けない大人たちの中、広間には、しばらく可愛い拍手の音が響き続けた。



そのとき、亜由美ちゃん(6さい)は、探偵にこう語った。

「九九がどうしても覚えられなくて……どうしたら覚えられるか必死に考えたわ。そして、何か印象的な事と一緒に覚えればいいということに気付いたの。でも、間違って覚えてたら、しょうがないな。はは。あーあ、最後の9×9で、先生を殺してやろうと思ってたのに」


この事件の後、急速に「ゆとり教育」が推し進められる事となる。

sasuke8sasuke82007/06/14 02:08ブクマコメントより指摘がありました。ありがとうございます。
小学2年生なら7歳、でも本文は6歳と書いてある。

1.賢い亜由美ちゃんは、義務教育にも関わらず飛び級している(1年→2年)。
2.この物語世界においては、小学校に入るのが1年早い。
3.単なる間違い。現実は非情である。

答え:はあなたの中にあります

トラックバック - http://throw.g.hatena.ne.jp/sasuke8/20070612

2007-06-09どこかにあるなら教えてください

断章:究極の設定vs至高の設定

| 断章:究極の設定vs至高の設定 - だって、思いついたから を含むブックマーク はてなブックマーク - 断章:究極の設定vs至高の設定 - だって、思いついたから


「ここにいる二人の美少女、どちらがおいしいキャラクターか、見極めてもらう」




「何の変哲もない美少女だわ」

「あっ、この美少女、右と左の眼の色が違うわ!」




「ふん、究極の設定だって? 馬鹿げてる」




「山岡ァッ! こんな眼鏡をかけた野暮ったい女の子のどこが究極なんだっ」

「ふふ、焦らないで。皆さん、女の子の眼鏡を外してみてください」




「まさか、そんな、それだけで」




「こんな、ツンツンして冷たそうな娘のどこがいいのかね」

「冷たいのには理由があるんです。試しに、主人公と二人きりにしてみてください」




「これやぁッ! わいが見たかったんは、これなんや!」




「今回はあえてライバルを三枚目にしてみた。毎回、主人公に挑むが必ず負ける。負け続ける事が伏線となり、やがて物語重要な場面で機能する」


「今回は、外伝的な話を挿入することで、実はスゴい奴であることを見せ、人物像に厚みを持たせる」




「確かに、おいしいけど、少しあざとい気がする……」

「何?」




「はーっはっはっは。士郎。素材の良さに満足し、工夫を怠った、それが結果よっ!」




「思い切って、弟の方は殺してみたんだ」

「そうか、死が永遠に二人を縛っているのね。だからせつなさが生まれる……」




「筋金入りの本格ファンだったあの人が、あんなに美味しそうに、ミステリもどきを食べてるなんて」




「安易に平行世界に逃げ込んだ。それが貴様の敗因だ」

「くっ」




「あいつは、来る日来る日もおふくろに設定を作り直させた」






「この設定を考えた奴は誰だァッ」


トラックバック - http://throw.g.hatena.ne.jp/sasuke8/20070609

2007-06-05もう最後にしますから

二つのOはメガネのレンズに違いない

| 二つのOはメガネのレンズに違いない - だって、思いついたから を含むブックマーク はてなブックマーク - 二つのOはメガネのレンズに違いない - だって、思いついたから

人力検索

以下の blog を読んだ上で、この blogger萌えキャラであると仮定すると、どのような設定・エピソードが想像できるかを教えてください。

http://neo.g.hatena.ne.jp/objectO/


http://q.hatena.ne.jp/1180863895

続きを読む

sasuke8sasuke82007/06/06 06:05回答権がなかったにも関わらず、結局やってしまいました。調子のりました。
終りがないのが終り。それがObjectOさんのレクイエム。つくづく恐ろしいことを考えられたものです。

トラックバック - http://throw.g.hatena.ne.jp/sasuke8/20070605

2007-06-02リア・実存

リア・ディゾンには夢がある

| リア・ディゾンには夢がある - だって、思いついたから を含むブックマーク はてなブックマーク - リア・ディゾンには夢がある - だって、思いついたから


「じゃあ、乾杯!」

暗いバーの中に女が四人。他にはマスターが一人、女達には興味なさそうにグラスを磨いている。女達は、一斉に目の前のビールを呷った。

「私達の、これからに」

「これからに!」

「じゃあ、やっとく?」

「やっとく!」

女達は、席を立つと、一列に並んだ。

一番前の女がしゃがみながら叫ぶ。

フロント・ディゾン」

二番目の女が腰に手を当て右に傾く。

ライト・ディゾン」

三番目の女は二番目の女と同じ格好で、左に傾く。

「レフト・ディゾンやで!」

やっと顔が見えた最後の女が呟く。

リア・ディゾン……」

「四人合わせて、フォア・ディゾンヌ!」

満面の笑顔の三人。だが、最後の女は、無表情に呟いた。

「ない……これは、ないわ……」

「リア?」

最後の女――リア・ディゾンは、一人、席に戻り、頬杖をついた。

「発想が古い……おめでたいにも程がある……」

「リア……? あんた」

フロント……五月蝿いわ……」

フロント・ディゾンは目を見開き、拳を固め、怒りを必死に抑える。

「なんでや! 私ら、この為に頑張ってきたんやで!」

「あんたの関西弁は似非なのよ、レフト……。わかるのよ……そういうのは……」

レフト・ディゾンは俯き、唇を噛み締める。

フロント・ディゾンが、ゆっくりと立ち上がる。

「そう言うあんたは、さっきから『……』が多すぎじゃない? お手軽なキャラ作りをしてんじゃねえよ!」

猛るフロント・ディゾンに、リア・ディゾンは表情を変えない。

「そうしないと誰が誰かわからないからよ……ここには四人も同じようなのがいるんだから……いやもう三人か……」

「何が……! こうなったら、力ずくでも、あんたを」

フロント! ライトが息してないんやで!」

振り向いたフロント・ディゾンが見たのは、レフト・ディゾンに抱きかかえられ、泡をふくライト・ディゾン。皮肉にも、硬直して震える指先がライト・ディゾンの生存を伝えている。そして、

「胸が苦し……やで」

次いでレフト・ディゾンが胸を押さえ、ライト・ディゾンに覆い被さるようにして倒れた。

フロント・ディゾンは、振り向き、鋭くリア・ディゾンを睨みつけた。

「さっきの、酒」

リア・ディゾンはさっきから表情を全く変えていない。興味を失った眼でかつての同胞を眺める。

「だから、おめでたいにも程があるのよ……力ずくの勝負なんて産まれた時から始まってるのに……」

フロント・ディゾンは、カウンターを見た。マスターは相変わらず興味なさそうに、グラスを磨いていたが、フロント・ディゾンの視線に気付き、とろんとした眼のまま、会釈した。

フロント・ディゾンは力尽きたように膝をついた。上半身を折り、額を床に付けて、眼を瞑る。

「……まだやで」

「……」

フロント・ディゾンの拳に、ライト・ディゾンとレフト・ディゾンの掌が重ねられた。

「レフト……ライト……!」

「……あたしたちの力を……やで」

「た……たの…」

弱弱しく震える二人の掌を、フロント・ディゾンは握り締める。

「そうだな……やらなくちゃな……誰かが」

フロント・ディゾンは立ち上がり、握り締めた拳をリア・ディゾンに突き出し叫んだ。

「リアアアァァッッ! お前は、あたし達の、『信頼』を踏みにじったッ!」

床を蹴り、瞬間でリア・ディゾンとの間合いをつめると、フロント・ディゾンは、握り締めた拳を振り下ろす。願いと怒りを込めた拳は椅子破壊し、床にめり込んだ。だが、そこにリア・ディゾンの姿はない。

「ど…どこ」

返答はフロント・ディゾンの背後から。

「後ろよ……私はいつも、そしてこれからも……リアなのよ」

振り向いたフロント・ディゾンの身体中に、リア・ディゾンの拳が放たれる。

「だからカスは! 私の後ろに、立つんじゃあなイ! リアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリアリア・ディゾン!!(背後に立つディゾン)」

フロント・ディゾンは後ろに吹き飛び、壁をぶち破り、動かなくなった。

リア・ディゾンは、席を立ち、かなり多い代金をカウンターに置いて、店を出ていく。

外に出たリア・ディゾンは、半ば雲に隠れた月を見て呟く。

「私ハ、グラビア・スターになル」

そして、感情的になった自分を恥じるように小さく笑い、小雨降る夜に消えていった。

tomozo3tomozo32007/06/02 23:53"次いでレフト・ディゾンが胸を押さえ、レフト・ディゾンに覆い被さるようにして倒れた。"
誤りでは?

sasuke8sasuke82007/06/03 00:15その通りです。ご指摘ありがとうございます。修正しました。
いやもう、どっちがレフトかライトか……。

トラックバック - http://throw.g.hatena.ne.jp/sasuke8/20070602