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2007-07-15謝肉祭

密閉信仰

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話は、学生時代の事から、現在の私の職業や、プロ野球テレビなど色々と脱線を繰り返しながら、私と彼は語り合った。

「そろそろ祭りか……。あの頃は女の子と行っても、夜店で食ってばかりだったな」

「それはお前だけだろう。ばくばく食いやがって」

「そうだったっけ」

私は酔いに任せ、淡い思い出に浸る。確かに彼は食べてなかった気がする。次々と食べ物に手を出す私を彼と彼女が呆れて見ていた。

「俺は、ああいう食べ物が嫌いだったからよく覚えてるよ」

「そうか? 雰囲気で美味しく感じるものだぞ」

「いや、味の問題じゃなくて。夜店の食べ物とかさ。その場で作って、しばらく置きっぱなしだったりするじゃないか。そういうのが気になるんだ。衛星の問題とかか」

「へえ」

最近は、そういうのが酷くなってきてる。スーパー野菜とかも気になるんだ」

「大人になったってことかな」

私は、見当違いな返答をしつつ、彼は確かにやつれたなと、ぼんやりとした頭で思った。そしてそんな風に彼を見ることに何か罪悪感めいたものを感じて、室内に目を向けた。彼のコレクション・ルームだというこの部屋はとても変わっていた。彼の後ろの棚には、大小様々な缶詰が並べられ、私と彼の座る椅子や、グラスのおかれたローテーブルまで大きな缶詰の形をしていた。

「おお、空気の缶詰まである。懐かしいな」

「ああ、結構溜まったな。どっか行ったときは必ず作るから」

「え、自分で作るのか」

「ああ、缶詰好きなんだ。俺」

「初めて聞いたよ。しかし、空気の缶詰かぁ」

「あれは結構いいものだよ。甲子園の土みたいなものでさ。何かを切り取って保存するってのは人間はずっとやってることさ。写真ビデオみたいなもので、缶詰はモノ自体を保存できる。もちろん視聴覚では認識できないけど。結局、そこにあるというだけで人は満足できるもんなんだよ」

「本当に入っているのか、と俺なら疑うけど」

「それを信じれるかどうか。お前じゃ無理かもな」

私と彼は少し笑った。酔っていた事もあって、私は気が緩んでいたのだと思う。

「奥さんは元気か?」

言ってしまってから後悔した。だが、彼は平然とした様子で答える。

「ああ、元気にしているよ」

「そうか……。半年前になるかな? 前に会ったのは」

「半年? それはないな。少なくとも一年は前だ」

私は内心、ドキリとしたが、なるべく動揺を抑える。酔っていて、表情を制御できている自信がなく、

「ああ、そうかな」

と答えるのが精一杯だった。確かに彼女と最後に会ったのは一年前だ。彼と会ったのは数年振りだというのに。だが、私と彼女はもう終っている。


シュレディンガーの猫を知ってるか?」

「え、ああ」

彼の突然の話題転換に私はついていけない。

「何だっけ?」

彼は少し苦笑して、

「実は俺もわかってない。そして話には余り関係がない」

「ないのかよ」

「箱を開けるまで猫が生きているか死んでいるかは50%の確率で重なりあっている。そして箱を開けて観測した時点で生死が決定する。そこには時間も何も関係なく。俺はこれを希望の話だと受け取った」

次第に、彼の目は遠くを見つめるようになっていった。私を越えて、遠く。

「可能性を密閉するんだ。希望はそうやって生まれる。どちらか、わからないなら、俺は良い方を選ぶよ。この缶詰には南アルプス空気が入っている。そう信じれば幸福になれるじゃないか。多分、人間はそうやって、発展してきたんだと思う」

彼の言葉は静かだったが、力があった。しかし、それはまるで、

「密閉したものは、誰にも干渉されない。干渉されなければ、変化しない。残された希望希望のまま保存される。俺は……俺は、それでいい」

そう言って彼は、両手をついて、愛おしそうにテーブルを、巨大な棺桶のような缶詰を撫でる。私は恐ろしい想像に、全身が冷たくなるのを感じた。

私は震える声で、ようやく声を出した。

「奥さんは……彼女は、どこにいるんだ」

彼は、視線をゆっくりと私に向け、冷たい目のまま、広げていた手をゆっくりと閉じると、テーブルを指差した。そして、人差し指でとんと叩いた。

「ここ」


訓練された二次元美少女はうんこと区別がつかない

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うんこ

http://d.hatena.ne.jp/km37/20070711#1184098237

反射的に感じた違和感から「可愛い二次元少女うんことか言わない」と思ったのですけど、コピペ脳が反応して「訓練された二次元美少女は」と続けた結果うんこと区別がつかないことになりました。そんなわけない。

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