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2007-09-20薬草がなければ、ポーションを使えばいいじゃない

アイザック・ニュートンとその引力

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アイザック・ニュートンが初めて刀を持ったのは7歳の頃。

ニュートンは一目で異国の剣とわかるその直刀を、旅芸人のような不思議な格好をした老人からもらい、同時に半年間、老人から稽古を受けた。その後は我流である。

最初に斬ったのは自分を苛めていた子供。幸いにも首の薄皮一枚斬っただけで、子供の命は助かった。ニュートンは酷く驚き、自問する。

「何故、斬ったのか」

ニュートン子供を斬るつもりなどなかった。怒りや悲しみはあったが刀を抜けば子供が死ぬくらいの事はわかっていたからだ。ニュートンの意思を離れ、刀は子供を斬った。そんな風に思った。

ニュートンは急速に周囲から孤立する。が、逆にニュートンはその環境を深い思索の世界に入る為に活用した。ニュートンは己の世界に深く潜る。

「俺の刀は俺が戻すから鞘に戻る。俺がいるから刀の動きはある。では、俺自身はどうだ。俺の意思でない俺の動きは、誰が制御している。」


ニュートン16歳のある日。

グランサム・スクールからの帰り道ニュートンは、見知らぬ男が嫌がる女性の手をとり絡んでいる場面に出くわす。男の行為を不快に感じたが、思索を止める程のものではない、とニュートンは判断した。無視して通り過ぎようと、二人の側まで近づいたときニュートンは男が手に持つものに気付いた。ニュートンは驚く。男が持っていたのは、黒い鞘に納められた太刀。それはこの国のものでなく、おそらくはニュートンの持つ刀と同じものであった。

思わず男に声をかけようとして、ニュートン女性と目があった。再度ニュートンは驚く。その女性は顔見知りのミスストーリーニュートンの下宿先の養女であった。体温が数度下がったような気がした。ミスストーリーは泣いていたのだ。

「おい」

ニュートンは知らず半身になり、腰の刀に手をかけていた。振り向いた男を冷たい視線で捉える。最早、男に聞くことはないように思えた。

凄味をきかせて振り向いた男は、ニュートンを見て顔に喜色を浮かべる。その反応は意外なものだった。

「そうか、お前が」

男は、ミスストーリーの手を離す。そして刀に手をかける。

「お前もそれを、あの爺さんにもらったんだろう? こんなカンタンに会えるなんてな。俺はついている」

男は、太刀を抜く。

「あの老人は何を考えている」

「さあな、だが俺の剣を試すには、お前を斬るのが丁度いい。と爺さんは言った。悪いが、試させてもらうぜ」

男は刀を上段に構える。

「本気で来いよ。手加減とかは、なしだぜ」

「手加減などできない。俺の刀は、俺の意思とは関係なく、吸い込まれるように飛んでいくんだ。俺の刀と、お前らの首は、引き合ってるのかもしれないな」

にやりと男が笑った。そして、風を切る音がした。


刀が納められ、鍔と鞘がかちりと音をたてた。ついで、男の首が地面に落ち、布袋を落とすような音がした。

「どうして斬られた首は地面に落ちるのか」

ほんの一瞬、ニュートンは思考を開始したが、直ぐにやめた。なぜなら、そのときミスストーリーニュートンに抱きついたからだ。

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