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2010-01-27イッツ・ア・ニャンダフルワールド

ニャンサイドゲーム

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猫族が犬族を駆逐して、数十年が経った。猫族の都が地球上を覆い、敵性種族が消滅した猫族は大いに増えた。

だがその戦争(と虐殺)の記憶は猫族の精神性に大きな傷を残した。戦争後、最初の大統領、猫柳・カツオブシ・好きスギは、就任演説で、こう語った。

「我々は大きく傷ついた。戦争に勝利し、長年の敵であった犬どもを駆逐し、猫族の恒久的平和を実現する為の大いなる一歩を進めたはずの我々が、なぜ傷ついたのか。それはこの戦争が不幸な戦争であったからだ。我々の戦争の不幸とは、我々猫と彼ら犬の間に、根絶を目的とするほどの憎しみがなかったからだ。猫と犬の間には決して相容れることのできぬ断絶はなかった。猫と犬は心底憎み合う定めなど背負っていなかったのだ。それは幾猫かの穏犬派と呼ばれた猫達の存在が証明してくれる。だが、結果として我々は闘う事となり、さらにその戦いが我々の残虐な知性を強化し、両者の戦争の為の殺傷力が、憎しみを凌駕してしまった。これは不幸である。殺傷は憎しみを消費する。戦争が終わったとき、我々の憎しみは消えうせて、その逆の愛情まで芽生えている。それは確実に我々を蝕んだ。戦争に参加し生き残った兵士の約半数が自ら命を絶った事実を、私は公表する。国民に隠しはしない。しかし、残った我々は、犬族の分まで生きる義務がある」

「故に私はあえて提言する。我々はしばし、犬を忘れよう。傷に向かい合うには我々は傷つきすぎている。我々の傷が癒えた頃、再びその傷に向かい合うことを誓おう。そして、そのときこそ、本当の涙を流そう。わたしが在任中にやることは、次のことだ。ワンニャン戦争の記録は全て回収し100年の間保存する。そして、我々の記憶を封じる為のあらゆる策をとるだろう」


猫柳の作った政府は、憲法を改正してまで、犬忘政策につとめた。それでも国民は猫柳を信じた。その政策の一つが、強引な法律改正であり、その最たるものが、『ニャン代替法』(別称:ワン禁止法)である。

ニャン代替法とは、かいつまんで言っても全部言っても同じことだが、犬を想起させる「ワン」と「ニャン」に入れ替えること、それだけである。

いくつかの会話における事例を示そう。


「君の言にゃんとすることはわかる。しかし、何でもニャン力にうったえるというのはどういうものか」

「君は甘い。これ以上奴らをのさばらせておくと、君もやられるぞ」

「それくらい、かまにゃんよ」


「せっかく、岩手まで来たんだからにゃんこそば食べなきゃだな。にゃんこそばください」

「はーい!にゃんこ入りましたー!」


「『ニャンダと巨像』ってやった? 面白いよなー」

「話題古いな……騒がれすぎてて、俺はそこまで面白いとは思わなかった」


「うちの子、ニャン白で困ってるのよ」

「元気ならいいじゃない。うちなんか、家で本読んでばっかり。ちょっとは外に出て欲しいわ」


「あの社長の手ニャンはすさまじいよ。敏ニャンてのはあの人の為の言葉だね」

「でも、ニャンマン社長の典型みたいなもんだよな」


「た、助けてくれ」

「何をいってもダメだ。今夜、お前は東京ニャンに沈む」


「そうだなあ、狭いニャンルーマンションでさ、白いニャンピースを着た黒髪ニャンレンの彼女と肩を寄せ合っていて、ラジオが『イエスタディ・ニャンスモア』を流している。そんなのに憧れるね」

「何が?」


この法律は猫世界に広く、深く浸透した。これは傷を忘れるために一定の効果をあげたものの、別の新しい問題を生む。それはニャン代替法成立後に生まれた猫達の言葉の乱れである。ニャン代替法を破ったものには重い処罰が与えられたため、親猫達は必死に、子猫教育した。その結果、間違ってワンと言わないように、代替する必要のない言葉までニャンと言うことが慣例となった。具体的にはア段、ンが後に続く言葉などが、ニャンに変換された。この流行した新しい言葉をニャン語といい、その悪影響は、言葉意味がとりづらくなった事に加え、ニャンの変換の選択肢が増えたことで、復号が難しくなったことにある。先ほどと同様の事例を示す。


「君の言ニャンとすることはわかる。しかし、ニャンでもニャン力にうっニャえるというのはどういうもニョか」

「君はにゃにゃい。これ以上奴にゃをにゃにゃにゃにゃせておくと、君もニャにゃれるぞ」

「それくらい、かまにゃんよ」


「せっかく、岩手まで来にゃんにゃからにゃんこそば食べにゃきゃにゃな。にゃんこそにゃくにゃさい」

すみません。にゃんですか?」

「だから、にゃんこ! そにゃ!」

「ちょ! お客にゃん、やだ……下ニャタ……」

「いや、ちにゃう。そにゃ、にゃんこ、そにゃ」

「……店長ぉ! お、おにゃくさんが」

「ちにゃう、ちにゃうから!」


「『ニャンダと巨像』ってにゃった? 面白いよにゃー」

「にゃ題古いにゃ……騒にゃれすぎてて、俺はそこまで面白いとは思にゃにゃにゃった」


「うちの子、ニャン白でこにゃってるのよ」

「にゃらそう、うちにゃんか、もう大きいのにべにゃべにゃしてきて、こにゃってるにゃ」


「にゃの社長の手ニャンはすさにゃじいよ。敏ニャンてのにゃ、にゃの人の為の言にゃにゃね」

「でも、ニャンニャン社長のにゃん型みたいなもんにゃよにゃ」


「にゃ、にゃすけてくれ」

「にゃにをいってもニャメだ。今にゃ、おにゃえは東京ニャンに沈む」


「そうにゃにゃあ、せにゃいニャンルームニャンションでにゃ、白いニャンピースを着た黒にゃみニャンレンの彼女とにゃにゃを寄せにゃっていて、ニャジオが『イエスニャディ・ニャンスモニャ』をにゃにゃしている。そんにゃのににゃこがれるにゃ」

「にゃにが?」


猫柳大統領亡き後の、政府はニャン代替法を廃止したが、時既に遅く、猫族の言語退化は著しく、会話が難しくなっただけでなく、文字やその他のコミュニケーション手法も廃れていく。その頃から、猫族の知性の低下が目立つようになり、その後もいろいろあったが、ニャン語で舌を噛んで死ぬ猫がたくさんでたりして、早々に猫族は滅びた。




「ということなので、大変申し訳ありませんが、この『猫娘(ニャンニャン)クラブ』、通称猫キャバキャバ嬢であり、胸の大きく開いたセクシー衣装を着つつも、もちろん猫耳を着用している私が、お客様の言われるような、語中、語尾に『ニャン』とか『ニャ』を付けたりだけは永久絶対に致すことはありません。おわかりになられましたでしょうか?」

「えーと……ウソでしょ?」

「ひどい! 私のこと疑うの!?」

「いや、そういうわけじゃ」

「だから、お客さん、好きー(はぁと)」

「……」


男の人は感情からきた言葉より、理屈のある言葉に納得します。直ぐに理性をとばすのに理性を重んじるのです。

なので、なるべく筋道立てて、理屈で話をするようにしましょう。


ポイント

 ・矛盾がないように筋道を立てられる自信がない、という人は、とりあえず矛盾は気にせず、つなげることだけ目標に話してみましょう。

 ・気にせず軽い気持ちで、「こいつ、めんどくさいな」と思わせれば、反論もありません。


(とっさの一言~日常生活編)

extrameganeextramegane2010/01/28 11:04ニャンマン社長じゃないんですか!

sasuke8sasuke82010/01/28 12:11ほんとだ! 
この発言した猫は、この後逮捕されたでしょうね……。

ご指摘ありがとうございます。

sasuke8sasuke82010/01/28 20:01修正しました。

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2010-01-18料理は激情

シオイレスギター

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料理舞台ははストリートへ――

今、料理最前線はどこにあるのか? 三つ星レストランか? 伝統を守り続ける老舗の料亭か? それとも愛する夫を待つ妻の台所か? 

料理進化し続け、最前線も移っていく。料理という戦場の最前線は、古来は各家庭の台所から、やがて職業料理人プロ)が守る料理店へ、そして現在ストリートに移った。そこで戦うのは、名も無きストリートシェフ達だ。今、ストリートは最も熱く、恐ろしい場所となっている。


「えーと、次は……」

女は手を止めてしばし、くつくつと煮える鍋の中を見る。鍋の中の透明なスープは、幽かに昆布だしのまろやかな旨味が踊っているように見えて、女はそれに見入ってしまう。

鍋が火にかけられているコンロの前に立つのは、長身の、黒髪の女性。長い髪は後ろで一つに束ねられている。

女は、やがて顔を右に向け、目線を広げられた料理本に移した。

「塩を小さじ1……」



「俺は職業柄、よく考えることがある。料理進化し続けるが、人間進化しない。とびきり美味い料理があったとして、俺の味覚はそれを味わうことができるのだろうか? それは悔しいことだけど、しょうがないことなんだと思う。そんな俺が考えるのは、"美味い"料理はもういい、ということなんだ。俺は、"新しい料理"が食べたい」



「次は……」

女は、料理本を見る。そして、スープに目線を戻した。

「次も、塩を小さじ1……」

お姉ちゃん、何つくってるの?」

いつの間にか、女の傍らにはおんなの半分ほどの背丈の少女がいた。少し背伸びして、鍋の中をのぞいている。

女――少女の姉は、少し微笑んで答えた。「スープ

「へー、何の」

そこまで言って、少女は異常に気づいた。



料理が苦手という造形(キャラクター)には、二つの種類があると俺は考える。一つは、料理のセンスがないタイプ。いわゆる料理のための羅針盤を自身に備えていない、あるいは備えることができない。故に、料理は無軌道に暴走し、食物を別の物に変える。そして、二つ目は」



「……塩を小さじ……1……2……3……4……5……6……」

「お、お姉ちゃん、いつまで、塩入れて……」

「いおり」

いおりと呼ばれた少女は、姉の制止を含んだ呼びかけに、動きを止める。そして、姉の目を見て、息を呑んだ。

その目は、虚だ。何も映していないようで、それでいて灰色の、鈍重な雨のような、この世のあらゆる路地裏に存在する暗い光をたたえている。

「お、お姉……」

「もう、止められるものでも、ないんだ」



料理とは逆方向のセンスが発達しているタイプ。直感で、悪手のみを選択していく。俺が見てきて、ヤバイのは全部このタイプだ。このタイプ人間の厄介さは、その精神性にある。こいつらは、多くの場合、その意思や存在に狂気じみたものが混じっている。ケモノ……そいつらは、中にケモノを飼っている……だから面白いんだ。俺はだから、そいつらをもっと見たい」



「私の中の何かがささやくんだ。もっと、もっと、もっと……。そいつは、私の意思とは逆の、いや、私が望んでいるのかもしれない。私は、私が、こんなおぞましいものを、創り出すことを望んでいるのかも知れない……アブナイよな、私は」

お姉ちゃん……具が……浮いて……辛い」

「ああ、辛いな」



「前置きがゴチャゴチャと長くなりすぎた。ただ俺は"新しい料理"が見たい。ごく普通食材が、ごく普通料理法によって、とんでもなく不味い料理ができるのが見たい。無人島で、何ヶ月も水だけで腹が極限まで減った状況で、それでも口に出来ない食べ物があるとしたら、俺はそれを食べてみたい。俺の味覚が、それをどう感じるのか、知りたい。

……闘う場所は用意した。後は、君が、そこに立つだけだ」



料理舞台ストリートへ……。ストリートは、ストリートシェフと呼ばれる料理人達が跋扈し、異臭と煙、業火と吐瀉物にまみれている。それでも料理(たたかい)を望む人間達はストリートに出た。

そこで女は、"シオイレスギター"と呼ばれた。


「おい、塩を使うストリートシェフを知ってるか?」




エアマスター 14 (ジェッツコミックス)

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