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2010-03-22タネも仕掛けもなく面白くもなくオチもない

無断天才禁止

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そのサイトの右下には1行、「無断天才禁止」と書かれている。

そのほか、「プロフィール」と「掲示板」のリンクがあり、「プロフィール」のリンクの先には、「工事中」とだけ書かれたページがあった。「掲示板」のリンクをクリックすると、昔ながらの味も素っ気もない掲示板が現われる。

そこには管理人とおぼしき「ぺぼ」というハンドル名と、「天才」というハンドル名の書き込みが続いていた。

僕は、このサイトを、父親と共用のPCのお気に入りから見つけた。エロサイトでもないかと、軽い気持ちで見た父親のお気に入りで、このサイトを見つけたのだった。

ログを見ると、「天才」の書き込みから、流れが始まっている。


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2010-03-18その日は突然やってくる。

初撃

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「よく狙え。大丈夫だ……お前ならできる」

「父さん、いっちゃやだ!」

「バカヤロウ! お前はこれから1人で生きていくんだぞ! これくらいできなくてどうする!」

少年と呼ぶにはまだ幼い息子が、うなだれる。

しかし、その頭の上に父親の大きな掌が乗った。

「心配するな……お前は俺の息子だ……きっとできるさ」

「……うん」

今にも涙が流れそうだった息子の目が、決意をたたえた目に変わった。

「今日は、俺のとっておきを教えてやる……まず一歩前に出るんだ」

息子はうなずいて、ぎこちなく足を前に出す。

「もっとだ!」

「は、はい」

「そう、その位置だ……身体で覚えろ。物と人の間には、最適な位置がある。毎回同じとは限らないが、訓練することでそれを感じることができるようになる」

「父さんは、それがわかるんだね。すごいや」

振り返り笑顔を見せる息子に、父親は、笑顔を返す。

「そうだ。お前も直にそうなる……うっ!」

「と、父さん、大丈夫!?」

父親は、苦しそうに顔をゆがめたが、振り向こうとした息子の頭をつかみ前に向けさせた。

「集中しろ……一度、得物を出したら、標的から目を離すな……」

「うん……わかった」

父の必死の想いが、息子に伝達される。言葉だけではなく、大きな掌のぬくもりから、息づかいから、背後の大きな気配から、息子は学ぶ。

「まず得物の確認だ……口が詰まっていると、暴発して、手や足に当たる場合がある。すばやく確認しろ」

「うん……多分、大丈夫だと思う」

「そうか……なら、標的に向けろ。しっかり狙え。筋肉は信用できない。得物は骨で支える」

「はい」

「……よし、良い子だ。後は……できるな。タイミングをとって、一気に放て。いいか、最後の最後まで気を抜くなよ……」

「父さん!」

「お前は俺の自慢の息子だよ……」

すっと息子の後ろから父親の気配が消えた。だが息子は振り返らない。

(一度、得物を出したら、標的から目を離すな)

「父さん、僕、やるよ。僕は父さんの息子だもの。それに、なんだかもう怖くない。父さんの言葉を聞きながら、僕の中で何かが出口を求めてあふれ出しそうになっているのを感じた。今、僕はこの力を解き放ちたくて仕方がない」

ぞわっと背筋が震えるのを、息子は感じた。


それと同時に、息子から、発射された尿が、便器にぶつかって、飛沫を散らした。

息子の小便が終わると、後ろで、ドシャーと水が流れる音がして、その後扉が開く音がした。

振り向いた息子の視線の先には、疲れた顔の父親の姿があった。

「ついに、俺を越えたな……」

「父さん!」

「男にとって、最初の一撃が重要なんだ。それがときに致命的になる。お前は、よくやった……」

「うん、ありがとう、父さん!」

父親は息子に笑いかけると、背を向けて、手洗いに立った。

父親の背中を見つめていた息子は、息を呑んだ。

ベージュのチノパンの尻の部分の色が変わっていた。明らかに、暴発の後だった。

一筋の涙が、息子の目から零れ落ちた。

「間に合わなかったんだね……」


この日、息子が(トイレにおいて)ひとり立ちし、その父親が死んだ(いくつかの意味で)。

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2010-03-10世界フジキくん、君は本当に卑怯だな発見!

美食ハンター・トリコ

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腹が減るほどオーラが増す。これがトリコの念の性質であり、ハンターとしての矜持を遵守するための誓約であった。トリコは念に目覚めてから、「食う以上にハントしない」為に、空腹時のみに念が使えるという制約/誓約を課した。その効果は強く、満腹時はほぼ絶状態になる。それ故に限界まで空腹になったときのオーラ総量は想像を絶する。

この制約は、いくら個人主義のハンターといえども、いささか自己中心的過ぎるが、トリコにとってはハンターとはただの肩書きでしかない。トリコを知るものは彼をこう評する。ハンターとなる前も後も、変わらずトリコはただ一匹の獣であると。オーラを纏わずとも、トリコは虎と同じかそれ以上の何かだ。

トリコは思うがままに生き、しかしその結果美食ハンターとして多大な功績を残した。人の作る料理の限界を推し広げた、と彼に影響を受けた多くの人々は語る。

皮肉にも、そのトリコの能力が最大限に発揮されたのは、その晩年であった。


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