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2010-03-10世界フジキくん、君は本当に卑怯だな発見!

美食ハンター・トリコ

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腹が減るほどオーラが増す。これがトリコの念の性質であり、ハンターとしての矜持を遵守するための誓約であった。トリコは念に目覚めてから、「食う以上にハントしない」為に、空腹時のみに念が使えるという制約/誓約を課した。その効果は強く、満腹時はほぼ絶状態になる。それ故に限界まで空腹になったときのオーラ総量は想像を絶する。

この制約は、いくら個人主義のハンターといえども、いささか自己中心的過ぎるが、トリコにとってはハンターとはただの肩書きでしかない。トリコを知るものは彼をこう評する。ハンターとなる前も後も、変わらずトリコはただ一匹の獣であると。オーラを纏わずとも、トリコは虎と同じかそれ以上の何かだ。

トリコは思うがままに生き、しかしその結果美食ハンターとして多大な功績を残した。人の作る料理の限界を推し広げた、と彼に影響を受けた多くの人々は語る。

皮肉にも、そのトリコの能力が最大限に発揮されたのは、その晩年であった。




BGC(黒美食機構)の行った大規模な害獣駆除活動に反対したトリコは、ある日、単身BGC第十三支部に乗り込み、実質上のトップ九鵜藻野胡馬羅厨(くうもの こまらず)を殺害、そのままBGC第十三支部に立て籠もった。BGC第十三支部は、実質的には九鵜藻野が私邸として利用していた為、職員はほとんどおらず、九鵜藻野胡馬羅厨が死亡、そのボディガード数人が重軽傷を負った(ただし九鵜藻野は戸籍上では死亡していた為、身元不明の死体が発見されたことになった)。その後、トリコは、BGCの差し向けたブラックリストハンター20人を含む突入部隊を返り討ちにする。そのとき、トリコは三ヶ月以上の飢餓状態であり、星二つのブラックリストハンター二人と同時に相対し、瞬時に戦闘不能にしたと伝えられる。

トリコがBGCの計画に反対した理由ははっきりとはわからない。美食ハンターの活動は、ときに動物愛護団体や自然保護団体と対立する場合もあるからだ。また、トリコがそのような団体と繋がっていたという情報もなかった。

BGC篭城より3日後、精鋭ハンター数人による再突入が行われるが、既にそこにトリコの姿はなかった。次にトリコが発見されたのは、暗黒大陸の中央に位置する大森林――現在、鬼哭の森と呼ばれる魔所である。


その場所は、トリコが潰そうとしたBGCの害獣駆除計画の対象であった。暗黒大陸の中央に広がる数万ヘクタールに及ぶ森林、その森は高レベルの魔獣が跋扈する為、通常の人間では立ち入ることができない。しかし、そこには絶滅種の動物や独特な進化を遂げた生物や植物が多数存在し、さらに地下には貴重な鉱石や石油などの天然資源が埋まっていることから、生物学者、考古学者、鉱物学者、その他企業や国家にとって、喉から手が出るほど魅力的な場所であった。これまで、この森林は国連により特A級の危険領域と判断され、大規模な開発は行えなかった。その為、危険領域での作業を単独で行使できる美食ハンターや資源ハンター達の仕事場となり、学者や、一部の資産家などがハンターを雇い、単独で調査・発掘を行うのみに止まっていた。今回、トリコを発見したのも、古参の貴金属ハンターの1人であった。

トリコによるBGC第十三支部の篭城の結果、BGCの害獣駆除計画の一部が公にさらされた。BGCの計画は中立地帯である暗黒大陸の利権を巡る国家間の思惑が絡むおおがかりなもので、漏洩した情報の一部は結局、政治的に隠蔽された。隠蔽された計画の中には、ミサイル及び毒ガスの使用案もあったという。


危険分子トリコの始末の為に、ハンター協会から、会長ネテロと少数の精鋭ハンターが山に入ったが、期間内にトリコを発見できなかった為にトリコ討伐は一時中断される。ネテロは、そのときトリコと接触したとの証言もあるが、ネテロ本人が否定している。

しかし、九鵜藻野殺害と、トリコのBGC第十三支部占拠を引鉄にして、BGCの不正行為がいくつも明らかになったことにより、事実上BGCの害獣駆除計画は頓挫し、トリコへの報復どころではなくなった。世界にとっても、トリコによる実害は既になく、ブラックリストにトリコの名前はあるものの、トリコに手を出そうとするブラックリストハンターはいなかった。

それでも数年にわたり、莫大な賞金に目の眩んだハンターが1人もいなかったのには理由がある。3ヶ月の空腹状態で、手練のハンターの一個大隊を全滅させたトリコが、まだ空腹状態にあることが、念能力を持つハンターには一目瞭然だったからだ。


鬼哭の森は、数万ヘクタールにも及ぶ大森林である。その森林全土を、トリコのオーラが覆っていた。トリコを中心として広がったオーラは形状が歪み、独特の形で安定していた。その姿は、まるで膝を立てて座り込んだ巨大な鬼のように見えた。驚くことに、鬼のオーラは、円の性質を持ち、そのままトリコの知覚範囲となっていることがわかった。念を修めたものには、森に入った瞬間、独特の「見られている」という感覚を味わうという。トリコを世界に対する最悪の危険として、国連不許可のまま、ある国家が、鬼哭の森にミサイルを打ち込んだことがあった。だが、そのミサイルは森の遥か上空で撃墜された。それが何度か重なり、最後に発射直前のミサイルが爆破され、計画は終了する。

森に手を出すものは誰もいなくなった。

その5年後、森を覆うオーラが消えた。


オーラが消えて二日後、森の奥で、トリコの死が確認された。餓死だった。

トリコの友人であったハンター、料理人たち数人で、葬儀が行われる。トリコの遺体が動かせなかった為、葬儀は森で行われた。トリコの体は千念樹の洞に同化していた。千念樹はトリコのオーラの影響か、独自の形状に変化していた。この日より、この森が鬼哭の森と呼ばれるようになった。




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