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石麻二芯の文章読本 このページをアンテナに追加

2011-01-08

ラブレター

| 07:25 | ラブレター - 石麻二芯の文章読本 を含むブックマーク はてなブックマーク - ラブレター - 石麻二芯の文章読本

あなたにだけはちゃんと話したいと思う。

あなたにだけはちゃんと知っていてほしいと思う。

全てが手遅れだったとしても、だから私は手紙を書きます。


そもそもの事の起こりがなんだったのか。

これは、……いきなり難しいね。

あなたと私が出会ったことがそうなのかもしれないし、

あるいは、私が誰かと出会わなかったことなのかもしれない。

初めからそうなるように誰かが仕組んでいたとして、

その誰かっていうのは、いったい誰なんだろう。


おっと、いけない。

あんまり根本から話を始めると、とても終わりそうにないや。

だから、最低限のことだけ書けたらいいやと思って、書きます。


いつもの私を思い出して、あなたは、そんなことないと思うかもしれないけれど。

でも、本当です。

とても、

とても悔やんでいます。


こうやって私から手紙が来たことをきっと驚いていると思うけど、

私のことながら、らしくないという自覚はあるけど、

(あ、でも、驚いているのはもっと別の要因かもね)

でも最後まできちんと読んで欲しいな。


ひとつだけ、関係の無い話をすることを許してほしい。


先週の土曜日、つまり、あなたが最後に私の部屋に来た日。

とても天気が良かったね。

最近は曇の日や雨の日が多かったから、

今日は久々の洗濯日和だなって思った。

洗濯機を回そうと思ったらね、洗剤を切らしていたのを思い出した。

出鼻を挫かれて、いつもの私ならそのままブー垂れて不貞寝するところだったけど、

何となくその日は、そうしてしまうのも勿体無いようないいお天気で、

もしかしたら、お天気はあまり関係が無かったのもかしれないけど、

とにかく自転車に乗って、近くのスーパーに洗剤を買いに行きました。

本当はもっといろいろ買っていこうかな、とも思ったんだけど、

天気もいいし、じゃあ、帰り道はあちこち道草して帰ろうと思ったから、

結局洗剤だけしか買わなかった。

そういえば、あの洗剤、あの後あなたが使ってくれたみたいで良かった。

きちんと落ちていればいいけど。


帰り。

よく二人でデートした公園で、日向ぼっこでもしようかと思ってたの。

だけど、公園に辿りつく直前に、いきなり自転車のチェーンが切れちゃった。

とってもショック。

何でいきなり。

正に晴天の霹靂だよ。

結局、何だか悲しくなっちゃって寄り道はしないで、家まで帰ったわ。

それから本当は洗濯を始めようとしたのだけど、

なんだろうなあ。

なんでこんないい気分に水を差されないといけないのかなあ。

って。

あなたのよく知ってる、私の悪い癖が出てしまって。

結局、あなたが部屋に来るまで、ずっと布団にくるまってた。

本当は、だからね、あなたがあの日部屋に来る前に、

もっといろいろやっておこうとは思っていたんだよね。

洗濯もそうだし、

あと、手紙を出そうと思ってたの。

同級生の、今だから白状するけど、昔付き合っていた女の子に、

子供が生まれたんだ。

おめでとうって、手紙を出すつもりだった。

もしもあなたが今もきちんと逃げおおせているようだったら、

私の代わりに手紙を出しといてくれると、とてもうれしいよ。

宛名はもう書いてあって、何かの間違いで持って行かれていない限り、

机の引き出しの二番目に入れてあります。

「おめでとう」だけ書いて出してくれたらそれで十分だから。


なんだろうね。

何となく予感めいたものが、今になって思うと、あったのかもしれない。

私って、すごく筆不精だし、出不精だし、他にもいろんな不精なところがあるのに、

あの日は、何となくいろいろやろうと思ってたんだ。

結局、不貞寝しちゃってたけどさ。


あ、そうそう。

関係のない話のことだけど。

うっかり読み流していないことを祈るけど、私、昔女の子と付き合ってたんだ。

高校の頃。

ころころした可愛い子で、男子からも人気があったみたい。

でも、ふとしたはずみで付き合うことになったんだ。

その子はバレー部で、私は陸上部。

体育会系の部長連絡会議みたいなのがあってね、

私たちはクラスが別だったから、初めてそこで出会った。

それから時々話をするようになって、

家が近くだったのが分かって、

同じ大学を目指してるっていうことが分かって、

一緒に勉強をすることになって。

ある日、あの子の家で勉強していたら、

どういう流れだったか、もう思い出せないけど、

互いの胸を揉んでみようってなって。

最初はお互いにおっかなびっくりだったんだけど、

段々、頭の中がぐちゃぐちゃになってきちゃって、

自分が何をしてるのか、どんどん分からなくなって、

そしたら、多分、彼女の方からだったと思うけど、

私のおっぱいを舐めたのね。

むずがゆいんだけど、

信じられないくらい気持よくなって。

それはブラの上からだったんだけど、

もうたまんなくなっちゃって、

直接舐めてほしいって、おねだりなんかしちゃって、

気付いたらもうあれよあれよという間に。

あの子が部屋に鍵をかけた瞬間の顔は、

たまらなく可愛かったよ。

あんなに可愛い女の子の顔は、

私はあれ以来、二度と見ることがなかったなあ。


だから、あなたが、多分、ちょっと気にかかっていたであろう、

「あなたが最初の男の人」っていうのは、

そういうわけだったんだ。

引っかかってたら申し訳ないかなあ、と思って。

もう今となっては、どうでもいいかもしれないけど。

もしも心が少しでも楽になってたりしたらいいけど。

逆に引かせてたらごめんね。


さて。

本題に入ろうと思います。


結論から言います。


私はあなたのことを許します。

もうとっくに許しています。

ううん。初めから恨んですらいない。

だからどうか自暴自棄にだけはならないで欲しい。

それであなたが不幸になったりしたら、

そうなったら私は悲しいよ。


正直なところ、私は私の人生について、

もう実際のところ、結構諦めていたのだし。

こうなってしまったことは、悲しいことではあるんだけど、

悲しいことなはずなんだけど、

だけどどこかで、こうならざるを得なかったんだろうなって、

達観してる自分がいるの。

仕方なかったんだよ。

しょうがないんだよ。

だから、あなたが自分のことを責めたり、

あなたが悔やんだり、

あなたが自己嫌悪に陥ったり、

そんなようにならないようにだけ、

私は祈るよ。

あなたの心の痛みは、私が引き受けた。

そういうことにしよう。


そう。

やっぱり、何となくの予感はあったんだ。

あの日、あなたが部屋に来て、

そしてこういうことになるんじゃないかなって予感が。

なんでだろうね。

だからさ、別に私、食ってかかったりもしなかったでしょ。

なすがまま、なされるがまま、受け入れたでしょ。

いろんな人に迷惑はかけて来たけど、

済す時の閻魔顔だけはしないような人生を送るよう心がけてはいたから、

だから、いっぱいのものを私にくれたあなたに、

そしてあなたが決めたことに、何も口を挟まないように、

あなたのすることに、手向かわないように、

あなたの思うようにしてくれたらいいやって、

そう思ったんだ。


あの日、あなたの顔を見た時、もう全部、分かったんだ。

だから逆に言えば、私にはどうとでも出来た。

なんなら泣き叫んでもよかった。

なんなら逃げ出してもよかった。

なんなら返り討ちにしてあげてもよかった。

さすがにそれは無理か。

でも、しなかった。

なんでか、分かってくれるかな。


やっぱり私は、それでもあなたのことが好きで、

あなたも私のことを好きでいてくれてるでしょう。

それだけでもう十分なの。

だから、こういう結末になっちゃって、

あんな終着点に辿りついてしまって、

そりゃあ世間の人は、可哀相だ、とか、

ひどい話だって思うかもしれないけど、

そんなのは、完全、余計なお世話。

そうだよね。

私とあなた以外の人には、そこしか見えてないから、

そこしか知らないからそう思うだけであって、

私とあなたにとっての真実って、そうじゃないものね。


生まれ変わりをあなたは信じる?

私は信じない。

生まれ変わりたいとも私は思わない。

昔は思っていたと思う。

でもあなたと出逢って、生まれ変わる必要なんてないと思った。


私はまた私に生まれたいよ。

そして、またあなたに出逢いたいよ。

私が私だったから、あなたに出逢えたんだ。

あなたに出逢えて、

私が私であったことをどれだけ誇ったか、

きっとあなたは知らないと思う。

だから、

新天地に、どれだけいい男がいたところで、

どれだけ可愛い女の子がいたところで、

あなたとまた出逢えるのを未練がましく待っていたいと思う。


愛してるよ。

大好きだよ。


きっと誰も信じてはくれないだろうけど、

それに説明することも、説得することも、

私は大いに放棄するけど、

放棄せざるを得ないけど、

でも好きだよ。

とても、とても、好き。


これだけのことを最後にあなたに伝えることが出来なかったのが、

私の最後の後悔です。

最後の最後まで、きちんと伝えることが出来なかったけど、

最後の最後の最後には、何とか伝えることが出来たら、と思っているの。


だからこうして手紙を書きます。


この手紙があなたに届くことを、私は心から願っています。


さようなら。

ありがとう。






追伸

えーっと、殺される時のことなんだけどね、

やっぱり棒でメッタ打ちっていうのは勘弁して欲しかったなあ。

私が痛い思いをするのは、まあ、構わないんだけど、

いや、もちろん、痛くないに越したことはないと思うけど、

でもやっぱりよくない殺害方法だったんじゃないかなって思うよ。

お母さんが、ぐちゃぐちゃになった私を見た時にすごくショックを受けていたし、

まあ、私自身、さんざんお母さんに不孝を重ねた手前、あんまり強くは言えないけど。

あと、ちょっと引いた。

グロいっす。

あれってやっぱり残虐な殺し方だよ。

裁判員の心象もよくないと思う。

担当の刑事さんも吐いてる人いたしね。

あと、大家さんにも申し訳ないよ。

殺人があった部屋ってやっぱり借り手がつかないような気がするもん。

でもまあ、しょうがなかったんだよね。

うん、しょうがない。

しょうがないよ。

じゃあね。

今度こそ、さようなら。

sasuke8sasuke82011/01/08 08:59こちらこそ、よろしくお願いします。
ほめていただきありがとうございます。すごく嬉しいです!
朝飯抜太郎でもsasuke8でも適当に呼称してください。

部員が増えてきたので、自由参加の創作企画的なものもできたらいいですねー。

MiriamMiriam2012/09/30 20:12That's an astute answer to a tricky quseiton

ldwzhdujhlmldwzhdujhlm2012/10/01 20:45tKqpsT <a href="http://ossfmxxooymi.com/">ossfmxxooymi</a>

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