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2008/01/13 (日)原油が高くなれば、きっと紙も高くなる。

御名神様信仰

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 1200年前。

 飛騨山中。苔むした、社。1人の少女が、駆け寄って来る。


 「オナガミ様!オナガミ様!大変です!川が、川が白く濁っています!」


 オナガミ様。漢字では、『御名神』様と書く。狭い谷を縫うように流れる川が、その日は、白く濁っていた、樹齢100年以上と思わせる樫の木を彫り抜いて造られた、御名神様は、その目は、白濁した川を眺めていたが、少女の訴えが聞こえたのか、聞こえなかったのか、黙したままだった。



 1200年後。

 2007年の半分を過ぎた頃から、原油高が問題となっていた。ただのマネーゲームという声もあったが、それは、深刻で油が上がれば、全ての値段が上がる。垂れ流すように使っている電気、石油、寒い冬、暖を取る事にもお金がかかり、マフラーが売れたそうだ。


 だが、それも、あまり関係なかった。


 その後に、食品業界も、原油高に蹂躙され、食べる物の値段も上がり、エンゲル係数がどうとか、格差社会がどうとか、色々と話題になったが、それでも、あまり関係なかった。


 2009年。ついに来た。


 遂に、紙の値段が上がった。先ず、トイレットペーパーの値段が上がった。これには理由がある、製紙の工程で、濡れたパルプを乾かす時に、石油が多く必要らしい。さらに、基本的に捨てるために、使う紙、「古紙で充分!」という気運が高まった。

 次に上がったのは、ティッシュだった。ティッシュは、その気軽さから、トイレットペーパーよりも、軽視され、「必要ない!台拭きで充分!」なんて声もあり、事実、ティッシュは値段が上がり、街から消えた。



 その状況で、困ったのは全国に溢れるオナニスト達だった。もう、オナニーが出来ない!何で受け止めたらいいんだ!タオルか!お母さんに怒られる!そもそも、原油が高くなっている以上、タオルだって高い!


 2010年。街角のポスター。

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 タバコ1箱1.000円、吸いますか?

 ティッシュ1箱1.000円、抜きますか?

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 オナニスト達は、やがて、岐阜県に集う。そこには、マスタベーションの神がいると言うのだ。


 1203年前。飛騨山中。

 狭い谷を縫う川が、白く濁っていた。その川の上流には滝があり、その傍には寺があった。僧や男達が白装束を身にまとい、滝にうたれていた。男達は、目をつぶり、短い息遣いで、片方の手で合掌し、もう一つの手は、股間で忙しく動いており、次々と清流を白く染めていく。


 昔、昔、紙は貴重だった。


 御名神様は、白く濁る川を、ただただ、眺めていた。


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