病むに病まれてビラの裏 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2009/09/16 (水)射精関連作品も真面目に書いている(そういえば)

図書館の怪-序章「動かない時間」

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 本当は、演劇の台本にしようと思ってたの。

 でも、もう、お客さんの前でできるかどうか分からないから、ね。

 だから、小説にでもしてみようかなって、ね、思ったの。


序章「動かない時間」


 カチコチカチコチカチコチカチコチ…。


 「カチコチカチコチ。」、時計の音がどう聞こえるか、それは、聞いている自分の心境が大きいと思った。ほとんどの物事は多分、大抵は、そうだけど、時計は特にそうだと思う。例えば、試験の前日、一夜漬けで、勉強をしようとして、やったりやらなかったり、布団の中に逃げ込んだり、マンガを読んだりして、結局明け方近く、もう試験範囲をざっと確認するくらいしか出来ない…そんな時に、聞く時計の音は、急かされるようにはやく、タイムリミットを告げる、時限爆弾のように思える。だが、逆に、例えば、つまらない授業を受けている時なんかは遅く、一定のリズムを刻む事に苛立ちを感じる。はやく時間進めって。

 …もうどれくらい、この時計の音を聞き続けているのだろう。目を閉じて寝ていると、特に、気になって仕方がない。この音は何を刻んでいるのだろう。何か、ちゃんと、進んでいるのだろうか。進んでいるとしたら、それは、何なのだろうか。あ、なんだ、目は閉じてなかったのか。


 椅子の上で、ごろっと体を返してみると、みんな、思い思いの事をしている。あいつは、あいつも寝ているのか。いや、あいつは、いつまで寝ているのだろう。寝てても、起きてても、何も変わらないけど、そういえば、僕は、あいつと話してない。ここに来てから。ここに?ここか。

 あいつは、もう、勉強はしないのか。諦めたのかな。山積みにされた本は、遠目に見ても、高校受験の勉強に使われる本じゃあない事が分かる。百科事典だとか、そういう太い本だ。何か、壁を叩いたり、測ったりして、忙しそうだな。ああする事で、ここをどうにかする事が出来るのかな。だとしたら、手伝った方がよいのかな。

 あの子は…また本を読んでいるのか。今日は、今日はって変だけど、日記は書かないのかな。しかし、あんなに、毎日毎日、本ばかり読んで、飽きないのかな。そのうち全部読んでしまうのじゃないだろうか。まあ、全部読んだ頃には、最初の方に読んだは忘れているかもしれないな。ハハハハ。ループ。きりがないな。

 窓の外を見ると、もう、何がなんだか分からなくなっていた。景色はどこにいった。景色は。また、気がつけば、いつもの校庭とか、田んぼとか見えるのかも知れないけど、景色というのも、結局は、見た時の、心境に大きく左右をされるのかも知れない。美術とか、抽象画とか特に分からないけど、窓から見える、白と黒の、棒とか、輪っかとか、人とか、犬とかが、うねうねしたような、この景色を窓ごと紙に写しとったら、何かの賞をとれるかも知れない。


 ああ、ダメだ。色々考えても仕方がない。寝よう。ああ、僕らは、いつになったらここから出られるのだろうか。ドアは、まだ開かない。いや、本当は確認してないから分からないけど、どうせ、まだ開いてない。開いた時は、「開いた」と、きっと分かると思うから、きっと、まだ開いてない。