病むに病まれてビラの裏 このページをアンテナに追加 RSSフィード

2011/07/03 (日)ほぼ半年更新しなくて久しぶりの更新…書かないことが習慣になるって

来世の幸せ前借マシン

| 23:59 | 来世の幸せ前借マシン - 病むに病まれてビラの裏 を含むブックマーク はてなブックマーク - 来世の幸せ前借マシン - 病むに病まれてビラの裏 来世の幸せ前借マシン - 病むに病まれてビラの裏 のブックマークコメント

 今幸せですか?

 現世が幸せなら来世なんてどうでもよくないですか?

 あるかどうか分からない来世に期待するのですか?

 来世では、きっと、別の人。

 だったら、来世の幸せを前借しませんか?



 タイムマシンの研究の副産物として、結局、タイムマシンの完成は目処がたってないのだが、拡張カルマ理論、業子力学等の研究により、物質的には未来にアクセス出来ないが、業子レベルでの干渉が可能となった。それは、アカシック・レコードの書き換えでは?という疑問もあったが、アカシック・レコードには、その干渉すら記録されており、一度干渉が起これば、多元的構造を持つ、アカシック・レコードは、次の瞬間には、めくれているという。

 というような、学者先生が考えるようなややこしい話は、抜きとして、業子レベルでの未来への干渉は、個人レベルでの来世へのアクセスを可能とした。生まれ変わった自分が何者になるか?という事が分かるようになったが、あまり、今の自分とは、違う自分というモノの興味は、世の中的に低かった。なぜなら、現世の自分が喪失した先の自分なぞリアルじゃあないし、知った所で、今の自分の何かが変わる訳でもないからだ。

 結局、世の中の興味というのは、「今役にたつか、たたないか」なのだろう。そんな中、興味を持たれた研究は、詳しい仕組みは、業子力学の学者に任せるとして、「来世の自分からの幸福の前借」だった。来世の自分から幸福を前借する事で、現世の自分が幸せになれる…そんな内容だ。

 この装置は、世の中全員を平均すると『少し不幸』というこの世界において、瞬く間に普及をした。今、不幸だと思っている人は、来世から多く幸せを前借し、自分が不幸だと思っている少し幸福な人たちは、幸福を前借した。そして、世の中一般的に幸福だと思われている成功者達は、さらなる幸福を求めて、幸福を前借した。

 世の中の全員が平均して『少し幸福』になった関係か、これまで、頭を悩ませていた環境問題であるとか、エネルギー問題、経済格差、などなどは、潮が引くように、すーっと解決していった。何の心配もなく、明るい毎日、晴れの日が続き、笑顔が絶える事がない。これまでの人類史において、一度も、実現出来なかった、幸福の日々がやってきた。全人類が本当に幸せになった。私が幸せだから、皆が幸せである。『来世の幸せ前借マシン』は、さらに、さらに、利用者が増えている。光が、地球に、光が満ちている。



 そうして、何の前触れもなく、人類は滅んだ。