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2011/11/28 (月)他の文投げ部員も年内に同じことをやります。

シリカゲル・スイープ

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ルール

  • 定められた言葉を最低5つ使って物語を作ってください。
  • あと言葉の構造を変えない改変は可とします。人称の変化(僕、私)、鍵括弧の有無、句読点の追加・削除、漢字にする・漢字をひらく等。

文中の赤字部がWeb真珠養殖の核





「バナナは20本で良いんだよね?」


 禿石先輩が、そう言った時、私は直感した…かつて、ここに冷蔵庫が埋まっていた。そう地面から漂ってくる腐敗臭は、土とバナナがプロレスをした結果だ。ふふ、ふふふ…脳汁があふれ、出す。私は、静かな高揚感を覚えていた、鼻にツンとつく、その臭いが、私の脳内のドパーミン的何かを誘発したのかも知れない。


「そうか!マヨネーズだったんだ!」


 北海道帝国出身の毛毬子先輩は急に叫んだ。私は、反射的に「MacBookAir11インチ欲しい!」と叫びそうになったが、ぐっと、それを堪えた。もしも私が、第三者の視点でそれをみることが出来たら、その様は、苦しみスカイツリーの様だったに違いない。


 皆で、話し合い、冷蔵庫を掘り起こすことにした。掘り起こした冷蔵庫の扉をあけることは、ためらわれたので、とりあえず、裏面の様子を調べていると…戦慄した…。「いずれ、わかることだ。俺がマヨネーズだということは。」と血文字で書かれていたのだ。あまりに動揺して、「森から生まれた森太郎!」と子どもの頃の好きだった『森から生まれた森太郎!』の主人公の『森から生まれた森太郎!』の決め台詞、『森から生まれた森太郎!』を口に出すところだった。瞬間的にパニックに陥ったが、平静を取り戻すことが出来た。


そぼろハンバーグ弁当……一体、何が起こってる?!


 禿石先輩が、そう呟いた。野菜室に冷凍ハンバーグ弁当が入っていたみたいだ。それを聞いたか聞かないか、急に鮫島がいきり立ち、「もうやってらんねえよ!」と叫び、冷蔵庫をバットので滅多打ちにし始めた!バットは半分に折れたが、折れた先端が鮫島を襲う!その結果、鮫島は死んでしまった…。あまりに連続した出来事で、私は、止める暇がなかった。そう言えば、今日は、これで三人死んだ。狂っている、全てが狂っている。


吸血機の面汚しめ!


 毛毬子先輩が、そう言い放った。吸血鬼…だと思うが、イントネーションの違いを感じる。死んだ鮫島と毛毬子先輩は、北海道帝国のある地方の出身で…その出身者は、「吸血鬼」という卑称を浴びせられるらしい。それは、漁でとってきた魚を…いや、その話は、よそう。


マリー&ワネット。」


 禿石先輩は、そう呟く。どうやら、地面に埋まっていた冷蔵庫のメーカー名らしい。流石、禿石先輩だ。目がよい。目が肥えている。以前、「三つ眼用の眼鏡を売っているのはここだけなんだ。」と言っていたのを思い出した。「三つ目?」と、その時は思ったのだけど、禿石先輩が持つ精神感応及び千里眼の能力を増幅させる、そういう眼鏡だと知ったのは、ずっと後のことだった。


 「うう…。」


 と声がした。声の方をみると、鮫島だった。死んだと思った彼だったが、彼は笑ったつもりだったが、カエルの断末魔のような声がもれただけで、場は余計に静かになった。そして、やはり、死んだ。

 その静寂を破るためか、禿石先輩と毛毬子先輩は短い言葉を交わした。「私、ドラえもんって嫌いなの」「それ以上言わないで」「何?」「君を嫌いになりたくない」。きっと意味なんてないのだろう。私は、知っている、禿石先輩と毛毬子先輩は付き合っているって、週3回はセックスをしているって…。嫉妬の感情がわきあがり、顔が紅潮していく。頭から出た湯気でドライブさせたわたしの耳たぶはダンボのようにふくらんで、わたしはそのまま空中にとびだす。そうこれが私の能力…「ドライブ」。感情の高まりが、身体の一部を変化させ、その時一番望んだ結果をのこす他、色々と都合が良い能力、それが「ドライブ」…私は、両先輩達から、離れたかった。


「ワイなら大丈夫やで?」


 頭の中で、銀鮭騎士の声がした。「これは、イカリングでもオニオンリングでもない……輪ゴムだ!」知っている、本当は、それはコンドームだと。先輩達に嫉妬しながら、自分は14歳の時に処女をあの銀鮭騎士に捧げ、放課後は学校の中で濃厚なセックスを銀鮭騎士と繰り広げていたことを思い出すと、しっかりと、避妊をしておいて良かったと思うし、先輩達への嫉妬は、多少和らいだ。



 そう中学生の時…環状線を三週すると願いがかなう。タケシは子供みたいに何度もそう言って笑った。私も、それを聞いて笑った。二人で環状線自転車で、二人で二人乗りで…すぐにパトカーがやってきたけど、幸せだった。これが、青春なんだ!って本当に思った。だけど、その幸せは長く続かなかった。タケシがマヨネーズだと知ったときも、わたしは「そうなの」とつぶやいただけで、それはわたしの心からの言葉だったし、それ以上でも以下でもなかった。そして、別れた。マヨネーズとは、説明するまでもないけど、「誰とでもセックスをする男」だ。スペルマに似ていることと、「どんな食材にもあう!」という長所を…あわせて揶揄した、面白がった、そんな言葉だ。でも、後々に、タケシが実は銀鮭騎士だと分かった時には、本当にビックリした。だから、銀鮭騎士を殺した。そうその時に、この「ドライブ」が覚醒したんだ。

 ドライブが覚醒し、気持ちの高揚を抑え、血に汚れた手を洗いに行こうとした時に、あの男が現れた。彼が銀鮭騎士の手の者だったと気がついたのは、全てが終わった後だった。


眼鏡を選ぶとき、最も気をつけていることがある。レンズがあるかないかだ。


 長身のすらっと背の高い、マッチ棒のような男が現れた。もう少し顔が端整だったなら、女子中学生の妄想のターゲットになる…そんな感じの男だ。


お前も出せるんだろ?さあ、出せよ!どっちのオナラが強いか、勝負!


 酷い誤解をされながら、唐突にバトルは開始された。彼が右に走り出したので、私も、つられて右に走った。自然と円周上の動きとなる。


オナラ使いはオナラの色が見える。共感覚の一種といわれているが定かではない。


 なんのことだか分からない。人を殺し、その殺した相手と放課後に濃厚なセックスを繰り広げていたとは言え、年齢的なものを含めて、純粋な乙女。ユニコーンが実在したら二度見した後に、いきり立って突進してくるであろうレベル。もう!女の子にオナラってもう!もう!女の子!もう!という感情が、私の身体の中に充満し、生まれて二度目のドライブが発動した。お腹が妊娠したかのように膨らんだと思ったら、次は、内側に圧力を加えるように、引っ込んでいく。そして、その圧縮された空気が、処女を守った後ろの穴から、押し出されていく。


なんて、ドス黒いオナラ……あれがヤツの……。」

この世の不幸を取り込んで捻じ曲がったオナラよ。お願い、兄さんを止めて……。」


 結果、いつの間にか現れていた彼の妹も巻き込んで…二人は悶絶した。何か言い残すことはないかと聞くと、妹は、「シャットダウンのときにフリーズしないPCが欲しい」で、兄は「Wiiという文字をじっと見る。すると燃え盛る炎と、それに飛び込む順番待ちをしている二人の人に見えてくるんだ。」…だった。

 兄の方には、銀鮭騎士を殺した直後だったせいか、特別な感情はもたなかった。だが、妹の方には、同じ女であるためか、少しだけ、感傷の気持ちが生まれた。その気持ちが、私の中で作用し、ドライブを起こした。私の魂は、彼女に憑依し、彼女の視点で、兄妹の回想をみることになった。彼の右目から発射されたビームが、わたしの左目に入り、わたしの右目からまたビームが発射される。そのビームは彼を越えて道路の向うに消えて行ったけれど、遠くでまた違う方向にビームが発射されるのが見える。…それが最後に思い浮かんだイメージ。そう、この兄妹は…兄妹でありながら、小学生の時から濃厚なセックスをしていたのだ。誰が、それを責められようか。彼女の身体から戻った時、私は、自然と、泣いていた。多分、最初で最後の、優しいドライブだった。


 それが、ドライブが覚醒した日の話。朝起きると背中に翼が生えていて、一日かけて翼を動かす練習をしていたが、どうにも腰が痛くなって、次の日入院した。病室で、一人憤っていた。


翼なんか生えてもぜんぜん良い事ないよ。もう!


 もう!もう!もうもう!と憤っていると、カーテンで囲われた隣のベットから声がしてきた。


さんざん言ったことだけど、マヨネーズ持ってきちゃダメ!


 声からして女性、口調からして、母親だろうか…???ただ、マヨネーズと聞くと、銀鮭騎士を思い出し、股間に汗をかいている自分が恥かしく、そして、情けなく思えて、死にたい。そのまま、パンツの中に手を突っ込んで、オナニーでもしてやろーか!と思った。そう思った時に、頭の中に感情が流れ込んできた、また、ドライブが発動したのだ。カーテン中には少年がいたらしい。彼の視点で、風景が見えてくる。それは、彼の記憶の中の世界だった。

 そろばん塾は、駅に向かう途中の道の、駄菓子屋の隣にあった。そうか、私は、そろばん塾に通っていたのか。教室に入る…そのそろばんは、大きすぎた。それを先生は琴のように地面において弾いている。これが…そろばん塾!?わたしは、ぼくは逃げなくてはいけないと強く思ったが、足は先生の方に踏み出していた。これは、ドライブを使った、能力者同士の闘い…???

 先生も、その気配を察して、ゆらりと立ち上がり、琴のようなそろばんを手にとった、いや、それは…「ひっ」という声が自分の声だと最初気付かなかった。反射的にみっちゃんの声だと思った。そのとき先生が弾いたのが、恐怖に口を開いたままのみっちゃんの頭だったからだ。どんな能力かは分からない、人間をそろばんのように扱う、みっちゃんを、人間をそろばんのように扱うことが、能力なのか、能力の結果なのか?そんな分析の前に、憤怒の感情が膨れ上がり、陰茎が槍のように尖った。

 尖った陰茎は、そのまま伸びて、先生の喉を突き破った。先生は死んだ。その後、みっちゃんとセックスした。なんだろう自分の意識があることは分かるけど、それは、混濁していて、自分を自覚しながら、そして、それは、少年のものであり、挿入される側の気持ちも理解しながら、私は、他人の、自分の、少年の肉棒を、少女にざくざくと突きたてている。少年の歓喜の感情と、自分の背徳感が混ざり合い、最高にハイってヤツだ。私は、生まれて始めて射精した。


 みっちゃんは、私の腕を枕にして、寝ている。「将来は、二人で海外に住もう…」、そんな子ども染みたプロポーズをする。そこに、また、一人の男が現れた…鮭の仮面…???鮭の仮面の男は、右手に持っていた四角い箱の蓋を開けた。納豆だった。まさか、銀鮭騎士…そんな、まさか、彼は、私が殺した…。いや、銀鮭騎士のドライブは納豆の菌糸を精液に見立てること…そう考えれば、目の前の鮭の仮面の男と、銀鮭騎士は…辻褄があう…。

 そろばん教室に入ってきた鮭仮面は、素っ裸で繋がったままの、僕とみっちゃんには、気にとめず…教室をうろつき始めた。生徒用の棚を物色している様子は…きっと、そろばんを探しているのだろう。しかし、先の戦闘で、先生の喉に陰茎が刺さり、彼のドライブが解除されて、教室の中のそろばんは全て、高野豆腐に戻っていた。鮭仮面は、どうやら、そろばんを使って、オナニー練習しようと思ったが、生八橋も縄跳びもなかったので、諦めてミカンの皮でジグソーパズルをしていた。そして、射精した。

 射精をして、短い沈黙の後、こちらに近づいてきた…そして、「おれ、どんな風に見える?」わたしはショックをうけた。彼はかつて見たことないほど、怯えていた。震えている、小さな背中。わたしは慎重に言葉を選んで言った。「マヨネーズよ。途方もなく、涙が出るほどに、マヨネーズ」知らず、私は泣いていた。教室の隅を見る。ひき肉にされた美河はそれでもまだ美しかった。彼には申し訳ないことをした…先生の喉を突き破った陰茎は、実は先生の裏にいた美河の身体を、突き破り、そして…執拗に…おかしい…。

 ひじきに支配された世界を想像しておれは震える。「素晴らしい……!」…おかしい、これは、誰の人称なんだ…。私は、隣のベットで眠っていた僕の筈で、ここは、彼の心の中のそろばん教室で…キムチが彼女に出会ったのは、武者修行と称して、四国にうどんを食べにいったときのことだった。次々と別のイメージが流れ込んでくる…ドライブの中でのドライブの発動…そうか分かった、鮭仮面が現れた時の違和感が…。



 気がつけば、病室に戻っていた。翼は…なくなっている。テレビでは年末特別ドラマ、七千人の赤穂浪士による討ち入りは、クライマックスを迎えようとしていた。今や七千人に膨れ上がった、あのグループが主演だ。「髭の力を信じる……」「そう、あなたならできるはず」本当なら、ただの女子中学生なら、うっとりするシーンも、今は、腹立たしく思える。


 頭の中を整理する。確かに、私は、銀鮭騎士を殺した。だけど、そろばん塾に鮭仮面は現れた…いや、意識が自分一人のものになると、少しずつ冷静になってくる。そろばん塾に現れたのは…あれは、隣のベットの少年の記憶であり、だから、時間軸的には、矛盾は…ない筈だ。汗だくになっていたパジャマの上を脱ぐ。しかし、あの時、鮭仮面と交わした言葉は…記憶の再生ではなく実は…あ、ボタンがとれている…あれ、ボタンが…とれかかったボタンが発光する。光がおさまると、そこにはボタンはなく、涙を流し苦悶の表情を浮かべた人の顔があった。またか、またドライブが発動するのか!



 …いや、今度は発動じゃない。終了だった。私は、あの島の上空に戻っていた。気持ちを落ち着け、膨れ上がった耳たぶを操作して、地面に降りる。どうやら、隣の島まで来てしまったようだ。とりあえず、禿石先輩と、毛毬子先輩に合流しないと。丁度良いことに、降り立った場所は港で、定期便が出港しようとしている。急いで、船に乗せてもらう。こんにゃくの中身を掘り、なんとか座席と荷物を置くスペースをつくる。嵐の中、こんにゃくの船は岸を離れていく。

 こんな話を知っているだろうか?文明が生まれ、人類が住居を作るとき、その材料は何が選ばれるか?答えは簡単で、その土地で一番豊富にとれる材料が選ばれる。豊かな森林があれば、住居は木造になるし、また、樹木が貴重であれば、日干し煉瓦が使われる。この島では、こんにゃく芋が豊富だったために、結果として、住居も、船も、こんにゃくで作られたのである。


 船内のラウンジでは、人気ドラマ『劇団員と僕と卓上計算機の歩く道』が、流れていた。劇団員が去ると、ぽつんと僕とせんとくんの首だけが残された。「とりあえず……服、着ようか」、と、せんとくんの首が言う。僕は、せんとくんの首と濃厚なセックスをした後だった、ふと見ると、僕の左腕にはでっかい卓上計算機が取り付けられていて、合コンで即座にワリカンの計算ができるようになっている。そのシーンで、乗客の誰かが、チャンネルを野球に変えた。



 洗濯機の中で回転しながら考える。今日、起きたこと、あの上空でのドライブは何だったのだろうか?私は、気持ちを落ち着けたい時は、洗濯機の中に入ることにしている。鈴の音が鳴るような声で、ちくわぶが言う。だけど、赤の他人の、しかも、ちくわぶの言うことは、耳には入ってこない…。


シリカゲル・スイープ…」


 気がつくと、そう呟いていた。団子城、銀鮭騎士と最後の決戦を行ったところ。リモコンを7つ集めたところで、結局のところ、何も変わらないのかもしれなかった。だけど、私は、集めた。そして、団子城に辿り着いた。石垣を良く見ると、それは一つ一つが巨人の歯でできていた。そう、そこは、銀鮭騎士の精神空間。石垣の下には、陰毛がもさもさと生えていた。その陰毛が懐かしく、そして、愛おしく思えたことは…今でも後悔している。

 第一の間を開けると、そこはクイズ会場だった。中央のステージから、大きな瓶が現れた。中には酢が入っている。酢漬けから目覚めたミハエルは、まず体を覆う大根とカブラを一枚一枚歯ではがしていった。そして、死んでいった…一体、何がしたかったのか?

 第二の間では、逃げようとするUSBマウスを無理矢理つかまえて、MACポークにつなぐ。本当に辛い戦いだった。もう一つ、髪の毛一本ほど、何かがずれていたら、本当に危なかった。

第三の間では、「お茶がぬるいと言われたので、マグマで茶を煎れてやったら、おかわりとか言ってきた。もう活火山ないっつーの。」と干されたエコバックが言う。エコバッグを殺した。辛い戦いだった。

 最終的には、飛来したATMが体育館を穴だらけにするATMも体育館も殺した。大変だった。全ては、銀鮭騎士の精神空間で起きてること、途中で、常識など途中で捨てた。そして、最後の間で、銀鮭騎士と、再び出会い、最後のセックスをし、そして、最初のドライブを発動させた。そうか、そこに至る全ての道程が、シリカゲル・スイープだったのか…。それとも…。



ミニ四駆は子供のオモチャなんかじゃない!

 急に子どもの声がして、はっと気付く。いつの間にか、乾燥まで済んで、ラウンジに戻ってきていたみたいだ。手には珈琲を持っている。

ミニ四駆が勝手に動き出した!

 ドキリとする。まさか…ドライブ?と思ったが、どうやら、ただ単に、ミニ四駆が動き出しただけだったみたいだ。接触不良か何かだろう。

これはミニ四駆じゃない……マヨネーズだ!

 これは、父親の声だろうか。ミニ四駆マヨネーズの区別のつかない子どもは…一度、しかるべき処置をした方が良いのじゃないだろうか。ぼーっとそんな風に思う。マヨネーズと聞くと、股間がうずく自分が恥かしい。

「これを肌に塗るんだ」「服の下も?」「当たり前だ」「へいへい……で、これ何なの?」「遅効性の毒だ」その親子は、ゆっくりと死んでいった。この世界が狂っているのか、もしくは、今戻ろうとしている島が、あの冷蔵庫が、世界を狂わしているのだろうか。


 「残念だったな、ボクに利き腕はない。」それが口癖だった、頭巾ちゃん。またの名をドラゴン。この国のドラゴンとは、週三で日焼けサロンに行くような男を指す。そのドラゴンも、あの冷蔵庫に辿り着く前、波止場で死んでいった。耳太郎。「耳から生まれた糞太郎!」が口癖だった、自己矛盾を体現していた彼は…船内ではしゃぎ過ぎて死んだ。かつての仲間を思い出しているうちに、島についた。さぁ、禿石先輩と、毛毬子先輩に合流しよう。


 船はもうすぐ港に着く。そう思いラウンジを出ようとした時に、声をかけられた。「どうも始めまして、私、妻と言います。中国からの留学生です。」「あ、どうも。」彼女の視線が下がる。「おしりあい?」「ち、違う」「でも、その……」妻に指摘されるまでもなく、わたしのお尻が彼女のお尻と接触していることはわかっていた。「すみません」と謝罪をしようと思ったら、妻は、耳から血を噴出して、死んだ。上陸は近い。



国会議員の8割はアイドルである。

アイドル政党のやったことは政治ではなかったかも知れないが、どの政党もやれなかった日本の変革という偉業を確かに成し遂げた。

 あの冷蔵庫の場所に戻ってくると、二人はお得意のアイドルと政治をミックスをした議論をしていた。ディベート…というのだろうか。『一日総理大臣』と書かれたタスキをつけてるあたりに、彼の本気の度合いが見て取れる。


正しい事をするのに、屁をこく必要があるのかい?

「すみません。勝手に現場を放棄してしまいました。」


 これが我ら東方性交騎士団の、お決まりの挨拶だ。二人とも、特に怒ってないみたい。いや、むしろ、毛毬子先輩の足の付け根から、禿石先輩の濃い精液が滴っているので、二人でディベートをしながら、中出しセックスをしていたのが、バレバレなんですけど!


古今東西……おれのなまえ。」


 椅子から文字通り飛び上がり、4メートル程飛び上がったところで背中からパラシュートがひらいて、ゆっくり降りてくる。着地し、ひざをついた男は不敵に笑って言った。一度飛び上がった意味はなんだったのか?実は行方不明になっていた、古今東西先輩も駆けつけてくれたらしい。


47体のロボットが合体する赤穂ロボTKB96…手強い相手だった。」

チョコレートが二つあるよね、このうち一つが僕、もう一つが君、わかる?


 禿石先輩は、古今東西先輩を無視して、毛毬子先輩とイチャついている。ほっておいたら、また、セックスでもしそうな勢いだ。水をかけろ、水を。はぁ、改造少女専門学校の門をくぐったことを、今は後悔している。再び、銀鮭騎士のような存在が現れた時のことを考えて、選んだ進学だったけど…。出会いを求めて、色んな学校の人が集まる、クラブを選んじゃったことが失敗だったのかな…。

 物思いに耽っていると、結局、禿石先輩は、自慢の巨根を毛毬子先輩に挿入し、人のセックスをみたことがなかった、古今東西先輩は、口から泡を吹いて悶死した。お前、よく今まで東方性交騎士団で活動出来てたな。私も仕方がないから、先輩二人のセックスをみながら、指を動かして、ゆっくりオナニーをした。


 3人が、それぞれに満足したところで、件の掘り起こしたままの冷蔵庫を再び調べ始めた。土を払い、周囲を調べ、もう、扉を開けるしかなかった。20本のバナナが腐敗している…そのイメージが、扉をあけることをためらわせていたが…意を決して、扉をあけた。すると、ぼろんとバナナがこぼれでた。いや、バナナじゃない…陰茎?ということは、冷蔵庫の中には人間が…と思ったのだが、それは、精巧に出来た人体模型だった。おでこには『容れ器』と書かれている。どう読むのだろう。

 冷蔵庫から引き出し、人体模型の身体を調べる。組み木細工のような、パズルのような作りになっているらしい。肋骨を三本ほど抜くと中にスペースがあって、そこにリボンをかけた四角い箱が見えた。箱には、『さびしい脾臓』と書かれている。毛毬子先輩が、箱をあけると、中から何かが飛び出した…アメンボそのアメンボは確かに空中を歩いていた。アメンボの4本の足の先から波紋が広がるのがみえた。そのアメンボは、私の顔の前で、一度止まると、おでこから、私の中に入ってきた。禿石先輩と、毛毬子先輩が…遠くに、離れていく。


 これは…ドライブだ。だとしたら、誰の思念…???


 がばっと起き上がると、布団の上で、そこは豚の足首専門店の二階に借りている下宿だった。そう、部屋に帰ると自分探しに行ってた俺が戻っていた。あの日の朝だ。これは、彼の思念。彼の記憶。混ざり合う中で、私の記憶を掘り起こすと…人混みで彼氏とはぐれてしまって、やっと見つけたと思ったら、彼氏が山のフドウの肩の上に乗ってた…あの日のことだ。二人で、浮動小数菩薩、肩に乗れる菩薩、「フドウ」という愛称で親しまれる菩薩様を見に、ラムダ寺に参拝デートを決め込んだ…あの日…この記憶は、この思念は…彼、銀鮭騎士…タケシのものだ。


児ポ顔に関する法案が成立した3ヶ月後、俺は追われることになる。

「つまり、あややを経て、やがて大あややに至る…そういう事ですね?」

「いいや、違う。」

「山中で、修行していて、あややになれるとでもいうんですか」

「いいや、違う。」


 タケシは、修行僧だったのか…。「あの男に、何を吹き込まれたか、知らん。やめておきなさい」「嫌です。私は、あややになります」午前未明、一人の修行僧が山を降りた。そして、タケシも同じ日に山を降りた。その数日後、私は、銀鮭騎士として、私と会い…そして、私は処女を彼に捧げた。



 毎日、放課後に、校舎の中で、陰茎を入れられたり出されたり、入れたり出したり、射精されたり、射精したり、求められたり、求めたり、愛したり、愛されたり、そんなことを繰り返していても、私は、タケシが…銀鮭騎士に転生したタケシのことが、何も分かってなかった。児ポ顔とは…「児童ポルノと関係してそうな顔」と、男性を揶揄したサイテーな言葉だ。こんな言葉を考えた奴は、一度死んで、生き返って、死んで、地獄でもう一度死ぬということを、毛筆でエベレストを削って平野になるくらいの時間、繰り返した方が良いと思う。その言葉が…タケシを苦しめ、そして、寺での修行に駆り立てたのだろう。その鬱屈した感情が、彼を銀鮭騎士に変えてしまった。一度、海に行き、川に戻ってきてしまった。だが、彼は、銀鮭騎士は14歳の私とセックスをしていたのだから、その感情がなんであれ、結果として児童ポルノに関わってしまった…現場の最前線にいた…それは疑いようのない事実だ。14歳の私は…それを知ってたとしたら、どうしただろう…。


「マヨ……」「それ以上言わなくて良い」


 最後の時が近づく…。タケシは、私のことを、この時、こんな風に思っていたのか…。「揺らせ揺らせい!揺らしませい!」という銀鮭騎士の部下の魔術師達が彼に送る声も、全然、届いてこない。彼は、私を見据え、自分の能力を冷静に分析していた。杖にたまった葉緑素はまだ7割程度……いけるか?!杖とは、陰茎、葉緑素とは、精液のことである。銀鮭騎士もまた、精液を使ったドライブを駆使する…能力者だった…。そして…クイズ形式で始まったこの闘いは、23人の死者と7名の負傷者を出し、幕を閉じた。7名の負傷者もすぐに死んだ。私は、オレは…私の手の中で死んでいった。私の涙が零れ落ち、私の頬に伝わった。そう、これが、交わることが出来なかった二人が最後になって創ることが出来た…シリカゲル・スイープ…。それを思い出すことが出来た…でも、その直後から、戦って、殺して、戦って、殺して、戦って、殺して…。





風よ、大地よ、ちくわよ、大根よ、おでん精霊達よ!

 毛毬子先輩が、封印の儀式を執り行っている。


「本当にいいんだな?」

「はい。」


 禿石先輩は、それ以上は、何も聞いてこなかった。聞かない、ということをしてくれていたのだろう。人体模型は元の形に組みなおし、そして、冷蔵庫に入れ、そして、元のように埋めた。ただ、二度と同じような怪異が起きないよう、私たちが出来る最低限のお払いと、そして、封印を施すことにした。それが、東方性交騎士団の本来の活動だ。

 ここに至るまでに、多くの人が犠牲となった。冷蔵庫に埋まっていたモノは、銀鮭騎士が残した思念体だった。何故それが、絶海の孤島である、この毛薄島に埋まっていたのかは分からない。だけど、タケシにドライブして、私が銀鮭騎士を殺して…だから、この怪異に私が関係ない訳がない。こんなにも多くの人を巻き込んで、私だけ生きていて…いいのかな。明日から死ぬ…そんなことも考える。でも、空を見ると、曇っていた空が、雲が切れ、少しずつ、晴れてくる兆しが…


やーん!恥骨恥骨ー!


 …封印の儀式を終えた毛毬子先輩は、もう、禿石先輩とセックスをしていた。どうやら、長身細身の禿石先輩は、深いところまで挿入すると、恥骨が当たって痛いんだって!知らないっつーの!


メンンンンンーッ!」


 両手で、二人に、それぞれに飛びラリアットを喰らわせると、少しだけ明るい気持ちになった。家に帰ったら、amazonでバイブでも買おう!