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2012/01/22 (日)シリーズ完結に関しては去年も考えていた。

少年射精

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 最初の射精が、その人生を左右する。


 オナニスト達が語る言葉の一つである、つまり、最初の射精がどのように行われたかによって、その者がオナニストになるか否かが決まる、と言っても過言ではない。最初の射精、それは、夢精であるか、はたまた、オナニーであるか。この場合のオナニーとは、その前段階的な行為も含まれる。

 ある少年の初めての射精は、オナニー、その前段階的な行為であった。兄の勉強机の3段目の引き出し。今思えば、クリアファイルなど、当時は、クリアファイルはなかったが、を縦に立てるスペース。そこに教科書の下に隠された成人向けのエロマンガ雑誌、それを読んだ直後の行為だった。

 幼い彼の頭の中は、裸の男女がベットの上でもつれあう、なんだか分からない、でも、ちょっと分かる。大人になってからする行為、それがいけないことで、それを自分が読んでいることもいけないこと、女性の裸、の絵、息遣い、擬音等々が、頭の中を満たした。そして、それを外部に放出しなければ、自分が破裂して死んでしまうのじゃないか、という必死さで、ベットに腰を打ちつけたあの夜。マンガに書いてある「バコバコ」という擬音を、反芻しながら、ひたすら、ベットに腰を打ちつけた結果、ついには、射精に達した。このような過程は、オナニーの前段階的行為の一例である。

 その終りは、彼にとってはじめての体験であった。ビクビクと、尿を何倍にも濃くしたようなものが、陰茎の先から放出される。そして、放尿と違うのは、自律的にそれを止めようにも、止まらない部分であろうか。ようやく、それがおさまり、ブリーフの前を確認すると、自分が思った程は、濡れていない。だがしかし、なんだか、粘っこいモノが付着している。何か、自分の身体によくないことが起きた、病気ではないかと、トイレにかけこむと、その残りと思われるモノが、つっと、洋式便器に、糸となって落ちていった。


 彼は、そこそこ利発な少年だったので、それが、何かは分からなくても、だいたい、人間にとって、どのようなものかは、理解していた。それは、非常に漠然としたモノだった。


 しばらくは、その前段階的行為を楽しんでいたが、それは、オナニーと呼べるものでは、まだ、なかった。射精に達しないことの方が多かったからである。少年が、初めてオナニーを意識したのは、あるアニメーションをみた後のことだった。そのアニメは、当時、格闘ゲームのヒット作に数えられる作品の一つをアニメ化したものだった。日本をある程度勘違いしたような、極端に、布地の少ない衣装を身にまとい、そして、非常にグラマーである女性キャラ。扇子を武器にする彼女は、くのいちだったのだろうか、踊り子、というイメージなのだろうか。

 ともかくその女性キャラの肢体。まだデジタル彩色などが世の中にでまわる前、柔らかそうな身体と、テカテカとした光沢。そのアニメはテレビで放送されていたので、決して、アダルトアニメではないが、少年を興奮させるには、刺激は十分すぎた。興奮は、脳をかけめぐる。アニメを観終わった後に、陰茎は、自分の体ではなくなったようになったように制御ができない状態になっていた。今、これに触れると、とんでもないことが起きる、少年は、それをうっさらと気付いていが、結果として、勃起した陰茎を触ることになる。

 噴火した!それが、少年の最初の感想である。今までは、暗い中でベットにバコバコしていただけなので、達した後に、何がどのように出てきているのかは、分からなかった。しかし、今、それが、目の前で起きている。それは、想像していたより8倍は、凄まじい光景で、そして、罪深かった。自分の身体から、こんなモノが噴出されるなんて想像できなかった。そして、少年は、当時はまだその語彙はなかったが、自分が『咎人』であると自覚するようになった。


 罪の意識から、彼は、しばらくは、その行為をすることはなかったのだが、そうすると、次に襲ってきたのは『夢精』であった。しばらくは、朝起きてブリーフを風呂場で洗う、ということを繰り返していただ、どうしても、その現象から逃れることが分かると、母親に、素直に打ち明けることにした。陰茎の先から、変なモノが出る、と。

 その晩、少年の家では、「麦とろ御飯」を食べた。父や兄は、声には出さないが、「おめでとう」と言っていた。そういう表情をしていた。女性の場合は、初潮がきた時に御赤飯を食べると言うが、男の場合は「麦とろ御飯」である。そして、それは、初めての射精は、本人が黙っていることが多いので、発覚した日、もしくは、告白した日などを目安に行われる。勿論、「麦とろ御飯」に遭遇しないまま成人することもあるが、それは、稀有である。

 「麦とろ御飯」というイニシエーションを終えた少年は、益々、オナニーの虜となっていく。ベットに腰を打ちつける方法以外にも、いわゆる手淫も覚えた。手淫に励んでいると、友達が遊びにきて、とりあえずファミコンをしておいて、と告げ、自分の部屋で手淫の続きを行っていると、兄にそれをたしなめられたこともあった。彼は、少年の頃から、オナニストであった。



 はじまりはシャドータイプのオナニストであった少年だったが、中学生になり、高校生になる頃には、アルバイトなどで収入を得て、インファイトタイプのオナニストと変わっていく。放課後の教室、トイレなどが彼のフィールドだった。栴檀は双葉より芳し…とでも言おうか、元々、精力が強かったのか、高校を卒業するころには、1日五回のオナニーを毎日行えるくらいのオナニストと成長していた。彼の名前は、まだ、オナニスト名鑑には記載されてなかったが、しかし、デビューさせすれば、有望なオナニストになると、業界では注目の存在だった。

 高校卒業後のデビューも期待されたが、彼は、大学に進学し、民俗学を学ぶこととなる。その中で、彼の今後を左右するテーマと出会い、毎日五回のオナニーは、学術的な研究テーマと変容していく。オナニストとしての、彼の将来は、非常に明るいモノとなった。皆が、そう確信していた。



 しかし、時代が、世相がそれを許さなかった。青少年健全育成条例の流れ、後に、「射精維持法」と呼ばれるようになった悪法「青手など野外射精取り締まり条例」が、東京都により発効されてしまった。青派であったオナニスト達は、次々と投獄されてしまった。

 彼は、青派のオナニストではなかったが、彼自身の研究は、1日五回のオナニーを五百五十五夜続ける、ということであったが、その最後の夜に、最後の射精をしようと心に決めていた場所が、深夜の井の頭公園であり、そこは野外であった。勿論、その思いを断ち切ることは、できたであろう。しかし、それができないからこそ、オナニストなのである。



 「オナニストが思っているほど、世の中はオナニストのことを理解していない。」。オナニストが皮肉まじりに言う言葉は、やはり、事実だった。2775回目の射精の後、もしも、そのまま、夜明けを待つことができれば…青年、山車魔栗康幸は、野外射精の罪により、投獄。彼の研究の答え、結果は、二度とでることはなかった。そして、それは、この地球の運命に密接に関わることだったのである。

射精の牢獄に続く。


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